- 2015年9月 4日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:インド
- トピック:女性の権利
7月30日、インド北部ウッタルプラデシ州バパット県で、地元の自治組織が、村に対して既婚女性と駆け落ちしたダリット(インド社会の最下層民)の男の姉妹を強かんするように命じた。
姉妹の家族は、最高裁に対して、身の安全と保護を求める請願書を提出した。
最高裁が8月18日、州当局に対して、9月15日までに家族の請願に何らかの対応をするよう、命じた。この判断以降、アムネスティはこの家族の請願を支持し、その保護を求める活動を精力的に行ってきた。
家族は請願書のなかで、カープ・パンチャーヤトと呼ばれる自治組織の長老会議が強かん命令を出したと述べている。長老会はまた、姉妹の顔を黒く塗り、裸で通りを歩かせるよう命令しているという。
アムネスティは、家族が法廷に提出した書類に目を通し、弁護士や地域の住民に話を聞いた。
家族は、5月に村から逃げ出したが、多くの住民から村八分にあってきた。アムネスティは、定期的に家族と接触してきたが、何よりも彼らの身の安全を確保することが、当局が取るべき最優先事項であることは明らかだった。
話を聞いた住民によると、姉妹のことについては口を開けない空気だという。
アムネスティは、州当局に対して家族の安全を確保するあらゆる手立てを講じるように要請している。8月29日、州知事は、地元自治体の担当者に家族を保護するよう指示した。国家人権委員会と指定カーストのための国家委員会も、本件に関心を持っている。
今回の問題で、最高裁が違法だとしているにもかかわらず、各地にあるカープ・パンチャーヤトという自治組織が日常的に、女性への性的体罰を命じている実態が改めて浮き彫りになった。
ダリットは、インド社会で最下層民の扱いを受け疎外されてきた人びとで、しばしば社会から手ひどい扱いを受けてきた。
アムネスティ国際ニュース
2015年9月1日
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