- 2015年8月29日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:マケドニア 旧ユーゴスラビア
- トピック:難民と移民
この数日間ギリシャとの国境で足止めされていた難民がマケドニアに無事入国を許され、続いていた混乱状態は、ともかく平静を取り戻した。
ギリシャの国境に接する都市ゲヴゲリヤの鉄道の駅には、8月23日午後には難民や庇護希望者ら80人から100人の姿が見られた。彼らは、北方のセルビアとの国境の街へ向かう列車に、無料での乗車を許されていた。有料だが、バスを利用する人もいた。警官の姿があったが、状況は落ち着いていた。
先日の難民足止め問題はこれで収束していくように見えるが、難民にとって先行きは不安でいっぱいだ。難民には、子どもも妊婦もいる。病気などですぐに人道支援を必要とする人たちもいるが、全員が必要とする医療や支援を受けられるかわからない。
マケドニアへの入国は、欧州各地を目指す長い旅の一歩に過ぎない。直近の危機は去ったが、先は予断を許さない。
難民や庇護希望者を乗せた船が数隻、ギリシャの島々に到着している。問題は、マケドニア政府が、今後国境を越えて入国しようとする難民にどのような対応をするかである。
背景情報
8月20日、マケドニア政府は、ギリシャとの国境にある都市ゲヴゲリヤの検問所の封鎖を宣言した。国境沿いには、有刺鉄線を付けた金網が張られた。シリアやアフガニスタン、イラクなどからの数千人の難民や庇護希望者が足止めをくった。
アムネスティが得た情報では、国境にはテロ対策部隊が展開し、入国しようとする人たちに暴徒鎮圧用の武器を振りかざし、空に向けて威嚇発砲したという。
国には国境を守る権利がある。しかし、準軍事的対応は国際法に違反であり、受け入れることはできない。この対応は、紛争や迫害を逃れてきた難民をまるで暴徒扱いである。
アムネスティはマケドニア当局に対して、国際法に準拠した難民対応を取るように要請していた。
アムネスティ国際ニュース
2015年8月23日