- 2015年8月 1日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:メキシコ
- トピック:
昨年9月に強制失踪した教員養成学校の学生43人の行方はいまだ手がかりがつかめないが、最新情報では、メキシコ当局が捜索の一環でこの数カ月間に多数の集団埋葬地を見つけ掘り起こしていたことがわかった。
AP通信の報道によれば、連邦検察局に情報開示を求めた結果、昨年10月以降にゲレロ州の60カ所の集団埋葬地で少なくとも129人の遺骨が発見されていたことがわかった。いずれの遺体も学生43人のものではなかった。
地元メディアの報道では、他の州でも集団埋葬地が発見されている。
多数の埋葬地の存在は、この国が抱える強制失踪問題の深刻さを浮き彫りにしている。また、ゲレロ州や他の地域で発生している強制失踪が驚くべき規模であることも物語っている。
教員養成学校の学生の家族だけでなく人権活動家やジャーナリストらが、メキシコ当局に対し、強制的に失踪させられた若者の包括的な捜査をするように粘り強く求めてきた。この要求がなければ、集団埋葬地や失踪問題の深刻さが明るみになることはなかっただろう。
学生43人の所在と生死を捜索し公表するまでに当局がやるべきことは山積みだ。メキシコ全土で未解決となっている失踪についても同様である。行方不明者のDNAデータベース構築と名簿の作成もその1つである。
7月23日、メキシコ人権委員会は、失踪した学生らの捜査において多くの不正と欠陥があったことを指摘した報告書を公表した。報告書は、連邦検察局の捜査では事件の真相は明らかになっておらず、今後も犠牲者の捜査を続けることが必要であるとしている。
しかしながら、教員養成学校の学生の失踪は、氷山の一角に過ぎない。公式に発表された数によれば、過去数年間にメキシコ国内で25,700人以上が失踪している。そしてそのほぼ半数が現ペーニャ・ニエト大統領の政権下で起きた。
メキシコ政府が、まず43人の学生が失踪した真相を究明し、所在を確認し、関係者を法の裁きにかけるよう、アムネスティはキャンペーンを続けている。
アムネスティ国際ニュース
2015年7月27日
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