- 2015年5月28日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:タイ
- トピック:
5月22日、バンコクや北西部のコーンケン県であった3つのデモで、学生や反クーデター派の活動家が恣意的に拘束された。軍政権が発足して1年、いまだに反対意見への抑圧が続いている。
タイ軍が戒厳令を宣言し政権の座について丸1年、政権に異論をはさむ者は今もなお、抑え込まれている。
平和裏にデモを行う人たちが、国に不都合な話題を取り上げたり、軍政に逆らうからといって、恣意的な逮捕や拘束は許されない。表現の自由の権利を行使しただけで拘束された人たちは全員、即時かつ無条件に釈放し、すべての容疑を取り下げるべきである。
22日午後6時20分ごろ、バンコクでは学生と活動家ら20人が拘束された。彼らは昨年、クーデターに反対するデモが自然発生的に起こった最初の場所であるバンコク芸術文化センター付近で、象徴的な抗議活動を行う予定だった。
警察は、上部の指示を待っているとして、拘束された人たちの弁護士との接触を認めていない。少なくとも活動家2名が、拘束時に負傷し、治療が必要だという。
同日午後3時、バンコクの地下鉄の駅で、学生1人、民主化運動の活動家1人、タクシー運転手1人が拘束された。3人はしばらく交番に勾留されていたが、その後釈放された。
3人は政治的な抗議グループ、「抵抗する市民」に所属し、クーデター首謀者として現首相のプラユット・チャンオチャ司令官を刑事告発するために裁判所に向う途中だった。グループはクーデターから1年目となる数日前から、告発することを公表していた。
3つ目の拘束は、午後1時ごろ、タイ北西部コーンケン県の民主記念塔の前で起きたもので、少なくとも7人が拘束された。彼らは、クーデターと、採掘と開発事業により地元住民が強制立ち退きを受けることに反対するデモをしていた。非暴力のデモ参加者はすべて、学生の活動家グループ「ダオディン」のメンバーで、昨年11月、コーンケン県でプラユット司令官が演説したとき、映画「ハンガー・ゲーム」をまねて3本指を上げた容疑で拘束された人たちもいた。
これらの取り締まりは、当局が批判意見に対し今もなお抑圧の手を緩めていないことを示すほんの一例に過ぎない。政治的な活動をした市民の多くが投獄という憂き目にあっている。当局は、治安の名で一層強力な権限を自らに与え、人権を制限し、否定している。今こそ、反対意見を述べる権利を認める時である。
アムネスティ国際ニュース
2015年5月22日
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