- 2015年5月16日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ウズベキスタン
- トピック:
2005年5月、ウズベキスタン治安部隊が数百人のデモ参加者を殺害した。デモに関わった人たちへの迫害は今も続いている。事件に対して独立した調査を行い、迫害に終止符を打つべきだ。
10年前、治安部隊がアンディジャン市でデモをしていた人たちを無差別に銃撃した。犠牲者には女性や子どももいた。現在、多数の男女が国際法に反して投獄されているか、起訴に怯えながら生活している。またこの問題を持ち出すと脅迫や攻撃を受けることになる。
殺害の悲劇が癒される間もなく始まった、当局による恐怖と隠ぺいのベールを取り去る時がきた。当局は、殺害の加害者や責任者の責任を問うのではなく、デモに関わった疑いをかけた人たちに拷問を加え、不公平な裁判にかけ、非合法に投獄するなど、容赦なく迫害してきた。
欧米の政府は、この事件を含めウズベキスタンでの恐るべき人権侵害に目をつぶってきた。同盟国を動揺させたくないためであろう。この殺害事件に対する国際的な第三者による調査は延び延びになってきた。しかし、不処罰に終止符を打ち、犠牲者に正義と償いをもたらすのに遅すぎることはない。
背景
この事件へのEUの対応は、武器禁輸など特定の目的の制裁措置、および同国が事件の調査を適切に行うべきだという要請であった。しかしEUは2009年10月、調査が行われなかったという事実に触れることなく、禁輸措置を解除した。米国もまた調査を要求したが、同国の人権状況を理由のひとつとして2004年に課した軍事援助の制限を、2012年1月に撤回した。
さらに今年、2国間の軍事関係は大幅に強化され、軍事協力の新たな5カ年計画が実施に入った。国連人権理事会や国連拷問禁止委員会などの国際機関が、不偏不党で徹底した調査を始めるよう勧告したが、ウズベキスタンはこれを拒否している。
2013年4月、国連の普遍的定期審査が同国の人権状況を公開審査した席で、ウズベキスタンの代表団は、「アンディジャン(事件の国際的な調査)の問題は、われわれには終ったことだ」と述べた。欧州のいずれの国も調査の必要性を述べていない。
2015年、アムネスティは同国の報告書をまとめたが、その中で、拷問による自白の強要が、司法制度と国の治安を脅かすと見られる集団への弾圧手段において、中心的役割を演じていることを明らかにした。
アムネスティ国際ニュース
2015年5月12日
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