- 2015年4月24日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:
4月18日、高名なジャーナリストの高瑜(Gao Yu)さんが7年の刑を言い渡された。これは、正義と表現の自由に対する挑戦である。
容疑は、「国家機密漏洩罪」だった。裁判は非公開で昨年11月に行われた。弁護士によると、高瑜さんは控訴するという。
この極めて不当な判決は、中国当局の卑劣は政治的迫害以外の何物でもない。文言が曖昧で恣意的な解釈が可能な国家秘密法は、表現の自由を抑え込む当局の口実として適用されている。高瑜さんは、国の方針に異を唱えただけで投獄されたのであり、即時・無条件で釈放されるべきである。
当局は、漏えいした情報が「文書」というだけで、詳細は国家機密として明らかにしていない。実際は、この文書が、九号文件として知られる中国共産党のイデオロギーに関する内部文書を指すことは誰もが知っている。九号文件は、報道の自由、自由・民主・人権などの普遍的な価値を、激しい弾圧の対象としている。国家機密として正当なものだとは、とても言えない。
高瑜さんは、人権に対する中国共産党の強硬な姿勢を暴き、当局の体面を汚した。そしてそのために、重い刑罰を受けてしまった。
九号文件に記された人権への攻撃は、政府が考える中国の将来像と重なる。これは過去10年で人権活動に対する最大級の弾圧である。
高瑜さんの審理にあたり、当局は当初、弁護士への接見を認めないなど不当な対応を繰り返した。
昨年5月にはCCTV中国中央テレビが、高瑜さんが「自白」する様子を報道した。弁護士は、この「自白」は不当な手段で得られたものだと言う。当時、高瑜さんの息子も当局に拘束されており、相当な恐怖心と精神的ストレス状態にあったのだ。高瑜さんは、「自白」がテレビで放映されたことを知らなかった。この「自白」は何の意味も持たず、公正な裁判を受けられる可能性が少ないということが、いっそう明らかになっただけである。
アムネスティ国際ニュース
2015年4月17日
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