- 2015年4月11日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:インド
- トピック:
インド南部のアーンドラ・プラデーシュ州で、警察が希少植物の密輸に関わったとされる20名を殺害した。当局は、公正な立場で徹底的な捜査を実施するべきである。殺害の違法性が明らかな場合は、殺害に加担した者を全員、法の下で裁くべきだ。
4月7日、アーンドラ・プラデーシュ州の警官と林野庁の職員が同州南部で紫檀を密輸しようとしたグループ20人を射殺し8名を負傷させた。警察幹部の話では、絶滅が危惧される紫檀の木を違法に切り倒しているグループに遭遇し、拘束しようとしたところ、石や斧で殴りかかられ、やむなく正当防衛で発砲した、という。警官側は、無傷だった。
一方、グループのほとんどの者は背中を撃たれていた。警官が過剰な武力を行使したのか、遭遇と衝突はウソだったのか、あるいは「超法規的処刑」だったのか。いずれかを特定する捜査が求められる。警官は超法規的存在ではなく、法律を順守しなければならない。殺傷力のある武器の使用は、身に危険が迫り、やむを得ない場合にのみ許されている。
インド人権委員会は、「この事件は重大な人権侵害だ。正当防衛とはいえども、20人の命が奪われたとなれば、発砲は決して正当化できない」との声明を出した。また、政府と警察高官に対し、2週間以内に当時の警官と森林管理官らがどのような行動を取ったのかを説明するように求めた。
この数年、同様の「遭遇」殺害が何度か発生してきた。2014年3月には同じ地区で警官が密輸が疑われる3人を射殺した。6月から7月にかけて、同様の状況で5人が亡くなったと言われている。密輸を企む者たちに襲われて、当局職員も命を落としている。
密輸をする者は多くの場合、組織犯罪集団に雇われた貧しい木こりたちだ。紫檀密輸の防止を理由に人権無視は絶対許せない。
アムネスティ国際ニュース
2015年4月8日
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