- 2015年4月 7日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:シエラレオネ
- トピック:性と生殖の権利
シエラレオネで3月23日、外見上明らかに妊娠しているとわかる女生徒には試験を受けさせないとする提案がなされた。この提案は少女の教育に悪影響を与えるものでしかなく、より良い暮らしを得る機会を奪うものである。
24日にも、ミンカイル・バー文部大臣はこの見解を繰り返し表明した。大臣はその理由として「妊娠した少女が教室にいることは他の無垢な少女に悪い影響を与える」と述べたと報じられている。
中学から高校へ進学するには試験を受けて合格することが条件となっている。国には、門戸を閉じるのではなく、1人でも多くの少女に教育を受けさせる義務がある。低年齢で妊娠したとしても、その教育を受ける権利を奪ってはならない。妊娠が望んだものではない場合もある。
学校がどのようにしてこの方針を実施していくのか、考えると恐ろしい。もし、身体検査をされ辱めを受けて「妊婦」が選び出されるようなことになれば、学校に行くだろうか。学校は生徒の能力を見る場であって、妊娠しているかどうかを調べる場所ではない。
この恐るべき方策は、すでに弱い立場にある同国の少女たちに、さらに不利益をもたらすだろう。2013年に実施された人口動態・健康調査によれば、15歳から19歳のうち子どもがいるか、または妊娠している人は28%にのぼるからだ。
エボラ出血熱の大流行により学校は8カ月間閉鎖された。その間、女生徒は性と生殖に関する医療サービスを受ける機会が減り、商品やお金を得るために売春を以前にも増して迫られ、性的暴力を受ける危険性が拡大した。
学校は4月に再開されることになっている。妊娠した生徒が授業に出席できるかどうかは不明だ。
アムネスティ国際ニュース
2015年3月27日
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