- 2015年4月 3日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イエメン
- トピック:地域紛争
2015年3月26日空爆により、サヌア国際空港に近い家屋14軒が瓦礫と化した。(C) Zakarya Dahman, courtesy of The Yemen Times.
3月26日イエメンの首都サヌアがサウジアラビアの主導で空爆され、25名が死亡したと報道された。そのうち、少なくとも6名が10歳以下の子どもであったことが、病院関係者と目撃者の情報より確認された。
サウジアラビアの報道事務官は、サヌア国際空港に隣接するアルダイラミ基地における「フーシ派の航空防衛力」を1日ですべて破壊したと語った。フーシ派武装グループは約100メートル離れた検問所や500メートル離れたアルダイラミ基地を掌握していたとされていた。
また同国は、湾岸協力会議のうちの5カ国を含む10カ国と合同でフーシ派武装グループに対して軍事介入すると宣言していた。
アムネスティは、4つの病院の関係者を取材した。病院には攻撃を受けた国際空港近隣の居住区14軒の瓦礫で発見された遺体が運び込まれていた。また、少なくとも20人、うち女性4人が、爆弾による怪我で入院した。瓦礫の下には多くの人がまだ埋まっていると思われる。
3月27日には、アル・キタフ軍事基地に隣接する市場が攻撃され、子ども3人を含む20人が殺害され16人が負傷した。さらに3月30日には、サウジアラビアとの国境近くのイエメン北部が空爆され、アル・マズラク国内避難民キャンプの橋で子どもを含む民間人29人が殺害された。
死者の中には、子ども4人、女性2人、男性8人が含まれているが、男性の中に戦闘員がいたかどうか不明だ。
他に31人が火傷と榴散弾による負傷のため病院に運ばれた。
翌日の3月31日には、イッブ行政区域にあるフーシ派の検問所や、ヤリムとダマール間を走る道路沿いの燃料補給所を明らかに狙った空爆があり、14人が焼死した。その中には子ども4人を含む少なくとも民間人6人が含まれている。
この空爆で、ガソリンスタンド2カ所が破壊された。うち1カ所の経営者の話によると、給油に立ち寄った車に乗っていた数人が死亡し、ガソリンスタンドの従業員1人が負傷した。
一連の攻撃で市民に多くの死傷者が出たことから、国際人道法を遵守しているかが問題視されている。イエメンで空爆を行っているサウジアラビアやその他の軍は、市民に危害を加えないための実行可能なあらゆる予防措置を取るべきだ。予防措置というのは、民間人を危険にさらす恐れがある攻撃に関しては、事前に警告を与えること、甚だしい民間人の死傷者や被害が明らかに予測されるときは、攻撃をやめるか一時停止すること、民間人と民間施設が被害を受ける可能性を最小限に抑えるため、攻撃の手段と方法を選択することだ。
UNICEF、国境なき医師団などの人道機関は、アル・マズラクへの攻撃を非難し、すべての紛争当事者は、医療施設とその従事者の中立性を尊重し、負傷者への医療支援に支障をきたさないよう要請した。
アムネスティ国際ニュース
2015年3月31日
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