- 2015年3月30日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:マレーシア
- トピック:
マレーシアで3月22日と23日、多数のデモ参加者と人権派弁護士2人が逮捕された。表現と集会の自由に対する締め付けが激しくなっている最近の状況を象徴している。
当局は、扇動行為を罰する、あるいは社会秩序を維持するという建前を振りかざして、異論や議論をさらに封じ込めている。
抗議参加者を一斉拘束
クアラルンプールで3月23日、座り込みの抗議をしていた少なくとも79人が逮捕された。治安警官約40人が出動し、座り込んだ人たちを排除しようとして、もみあいになったという。 抗議の参加者およそ100人は、翌週から施行される新しい物品・サービス税に抗議していた。
植民地時代の法律
扇動法を口実にした弾圧も続いている。人権派弁護士であり人権NGO「自由のための弁護士」のメンバーでもある2人が、1948年制定の扇動法違反で逮捕された。この厳しい法律ができたのは植民地時代にさかのぼる。もともとは同国の独立を訴える人びとを取り締まることが目的だった。
NGOの法律面コーディネーターのミッシェル・ヤスダスさんは、脅迫メッセージをツイッターで受け取り、身の安全が心配だとツイートしたために、扇動罪で逮捕された。
事務局長エリック・ポールセンさんは、クランタン州が導入しようとしているシャリア刑法案についてツイートをしていた。この法律はイスラム教の原則に基づいて、特定の行為に対し厳しい刑罰を定めるものだ。後に2人は保釈された。
当局は、批判の封じ込めに、この時代遅れの扇動法適用を増やしている。 今年に入ってすでに少なくとも23人が扇動容疑で逮捕されたか、捜査を受けた。昨年は年間でも29人で、今年は明らかに多い。これは、当局がすべての反対意見を抑え込もうとしている危険な兆候である。
アムネスティ国際ニュース
2015年3月23日
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