- 2015年3月18日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:パキスタン
- トピック:死刑廃止
3月12日、パキスタン政府が死刑に関する方針を変え、死刑に相当する罪すべてに対し執行を再開すると発表した。死刑囚監房に収監されている多数の囚人にとって、絞首刑に処される可能性が高まることになる。
死刑執行一時停止からの後退は、同国が直面する差し迫った保安や治安上の問題を解決に結びつけない。
昨年12月当局は、2008年以来実施していた死刑執行停止を一部解除した。ペシャワルで児童多数が虐殺された事件を受けて、テロ事件にのみ死刑執行を許可したのだ。
しかしそれ以来執行された24人のうち3人は、テロとは無関係の死刑囚だった。今回の方針変更で執行の対象はすべての死刑事件に広がることになる。
パキスタンには、さまざまな罪で死刑を言い渡された死刑囚は数千人と言われる。多くの死刑判決は、弁護士が付けられず、裁判は国際法では認めない証拠を採用する不公正なところがあった。
今日現在、140カ国が法律上または事実上で死刑を廃止している。圧倒的多数の国が死刑を廃止しているという世界的潮流に、同国は逆行しているのだ。死刑は究極的に残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰であり、適用根拠の一つである犯罪の抑止効果は立証されていない。死刑はいつも忌まわしいものであるが、裁判が日常的に不公正であるパキスタンのような国では一層懸念を引き起こす。
アムネスティは、犯罪の性格・状況、有罪・無罪、個人の特質、執行方法などに関わらず、いかなる状況でも例外なく死刑に反対する。
アムネスティ国際ニュース
2015年3月10日
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