- 2015年2月18日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
9・11事件の首謀者とされる5人の容疑者に対する予備審問のスケッチ(C)JANET HAMLIN/AFP/GettyImages
2011年の9・11事件の「首謀者」5人に対する米国軍事法廷審問が突然中止となった。この事態により、これまでも際立っていたグアンタナモの軍事委員会の不正体質が改めて露呈した。
審問が始まって数分後、軍法判事が休廷を言い渡した。被告人の1人であるイエメン国籍のラムジ・ビン・アル=シブが、「法廷の通訳者は以前、被収容者が拷問を受けていたCIA秘密軍事施設で見たことがある」と述べたためだった。
この証言が正しければ、以前拘禁されていた秘密施設の通訳者がすぐそばにいることは、非常に被告を動揺させるものだ。一方、拷問や強制失踪を目撃した可能性があるこの通訳者に、弁護団が尋問できるようにすべきである。
米国上院委員会は、CIAの尋問に関する報告書の要約版を昨年12月に公開した。報告書では秘密裏の拘禁や尋問の一環として用いられていた拷問の手法が詳しく記されているが、今回の審問での出来事で、米国政府は苦しい立場に追い込まれた。グアンタナモの法廷は、拷問を裁かないばかりか、さらに不正を重ねたのだ。
軍事委員会の審問は、上院報告書が昨年12月に公開されてから今回が初めてであった。
アムネスティ国際ニュース
2015年2月9日
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