- 2015年2月 4日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:バングラデシュ
- トピック:
警察当局の作戦強化は、20人以上の犠牲者を出した火炎瓶攻撃に対抗するもの(C) AFP/Getty Images
バングラデシュでは政権に反発する暴力的な抗議活動が続き、火炎瓶攻撃が多発している。この事態に対し、政府は警察当局に過剰な武力を使用する自由裁量権を与えている。しかし、これではすでに激化している暴力の火に油を注ぐ恐れがある。
報道によると、シェイク・ハシナ首相は1月23日、次のように述べた。
「火炎瓶攻撃ですでに20人以上の死者が出た。警察当局に、暴徒鎮圧のために時と状況によりいかなる手段も取れる裁量を与える」
このような発言は、デモ参加者に対して警察が不必要で過剰な力を行使する事態を招きかねない。過去にも頻発した超法規的処刑を煽る可能性もある。
警察の作戦で最近、10人以上が殺害された。この作戦には過去に多くの人権侵害を犯したとされる精鋭特殊部隊も加わっている。犠牲者のほとんどは1月の「銃撃戦作戦」(当局がそう呼んでいる)で亡くなっている。超法規的に処刑された人もいる。真相究明と関係者の処罰のために、徹底的に警察を調査する必要がある。
国際法および国際基準では、警察の武力行使は、その状況で必要不可欠であり見合った規模の範囲でのみ許容されている。また、人命を尊重し、死傷者が出る危険性を最小限にするよう措置を講じる義務があるとしている。致死となる銃火器を故意に使用することは、身の安全に不可避な場合以外は、許されない。
デモと火炎瓶攻撃
この数週間、政府と野党の各支持者がダッカなどの都市で衝突を繰り返し、同国の人権状況は悪化の一途をたどってきた。
バングラデシュ民族主義党 (BNP) は1月5日、全国規模で道路にバリケードを置いた。それ以来、野党の支持者がバスなどの乗り物に投げた火炎瓶で20人以上が死亡し、何百人も負傷している。
アムネスティ国際ニュース
2015年1月29日
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