- 2015年2月 2日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:危機にある個人
1月19日、ムスリム社会のリーダーであり医師であるトゥンアウンさんが釈放された。(C) Private
ビルマ政府は、非暴力の活動家トゥンアウンさんを釈放した。このことは歓迎できるが、無実の罪で収監されている他の「良心の囚人」も釈放すべきである。
トゥンアウンさんは、ムスリム社会のリーダーで医師でもある。2012年にビルマ西部のヤカイン州で起きた仏教徒と少数民族ロヒンギャ間の衝突で、暴徒化する群衆を静めようとしたにもかかわらず逮捕され、数々の捏造された容疑で懲役17年を言い渡され、服役していた。
このビルマ政府の動きは大変歓迎できるし、トゥンアウンさんがようやく解放され、家族と一緒になれることは喜ばしい。また釈放を求めて運動をしてきた国内外のすべての人たちに大きな勇気を与えるだろう。
しかし、そもそも何の罪も犯していない彼の投獄は不当であり、公判内容もばかげていた。
また条件付き釈放であるため、再び逮捕・収監される恐れがある。当局は、トゥンアウンさんに科した制限をすべて解除し、無条件で自由に人権を行使できることを保障すべきである。さらに、ビルマにはいまだに多くの良心の囚人が収監されている。当局はその全員を即時、無条件に釈放するべきである。
ビルマでは2012年の夏、ロヒンギャと仏教徒間の衝突が起こり、それ以来衝突が散発的に続いてきた。しかし、保安部隊が衝突に関与している、あるいは見て見ぬふりをしているという信憑性のある目撃証言があるのにもかかわらず、当局の誰も責任を追及されていない。
当局は、暴力を制止しようとした人を投獄するのではなく、人権を侵害した加害者の罪を問うべきである。
2012年の10月にアムネスティはトゥンアウンさんを「良心の囚人」と認定した。翌年12月には、手紙書きのキャンペーンの対象人物の1人となっている。毎年行われるこのキャンペーンでは、世界の数百万人が人権侵害を受けている個人や地域社会のために手紙を書いている。ビルマの国家人権委員会からの手紙によれば、委員会はアムネスティに賛同する人たちからの手紙を受け取り、トゥンアウンさんの事案をさらに詳しく調べるに至ったようだ。
※良心の囚人:暴力を用いていないのに、信念や信仰、人種、発言内容などを理由に不当に囚われている人
アムネスティ国際ニュース
2015年1月20日
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