- 2015年1月25日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:インドネシア
- トピック:死刑廃止
6人が麻薬取引で銃殺刑に処された。(C) iStockphoto.com/helenecanada
1月17日、ジョコ・ウィドド新大統領就任後初となる死刑が執行された。これは同国の人権重視の歩みに逆行するものだ。
銃殺により処刑されたのは、インドネシア人1人、外国人5人の計6人。全員、麻薬取引で有罪となっていた。
この深刻な後退は、きわめて嘆かわしい。新政府は人権を優先するという約束を掲げて就任したが、6人の処刑はこの公約を裏切るものだ。
インドネシアでは2014年には1件も死刑執行がなかった。それに対し、2014年11月に発足した新政府は、今年20件の死刑執行を予定していると発表した。
また2014年12月の報道によれば、ジョコ大統領は、薬物犯罪で死刑の判決を受けた少なくとも64名に対して恩赦を認めず、執行する予定らしい。
政府は死刑を執行する計画を直ちに中止すべきである。わずか数年前には死刑を行わない方向で積極的な施策をとっていた国だというのに、今や当局は逆方向に国を動かしている。
インドネシア当局は、国内で死刑を適用していながら、海外のインドネシア人に対する死刑適用と闘う姿勢を示しているが、これでは辻褄が合わない。インドネシアは、最終的には廃止を目指しつつ、当面、死刑執行を停止すべきである。
全国人権委員会(Komnas HAM)、女性への暴力に関する国民委員会、各宗教団体、国会議員、市民グループなど、国内のさまざまな団体が、先週死刑に反対する声明を発表した。
アムネスティは、犯罪の性格・状況、有罪・無罪、犯罪者の特質、執行方法などに関わらず、いかなる状況でも、あらゆる死刑に反対する。 死刑は、世界人権宣言が認めているように、生きる権利の侵害であり、最も残虐で非人道的かつ品位を傷つける刑罰である。 生きる権利は、インドネシアの憲法でも保護されている。 これまで世界の140カ国が、法律で、あるいは事実上、死刑を廃止している。
アムネスティ国際ニュース
2015年1月17日
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