- 2015年1月 8日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:パキスタン
- トピック:死刑廃止
パキスタンは死刑の執行を再開した。(C)AAMIR QURESHI/AFP/Getty Images
パキスタンで市民を襲撃し有罪判決を受けていた2人が12月19日、絞首刑を執行された。同国では3年ぶりの死刑執行である。
タリバンが12月16日にペシャワルの学校を襲撃し、少なくとも142名を殺害したことを受けて、政府はこれまで停止していた死刑の執行をテロ関連の容疑者に対して再開した。しかし、死刑の執行ではテロを封じることができるわけではなく、暴力の連鎖が続くだけである。
今回の処刑は、人びとのテロへの恐怖と怒りに国が屈服してしまったためで、極めて残念なことだ。学校襲撃と同様に恐ろしいことは、殺害がテロや犯罪撲滅の対策になると国が考えていることだ。だが、皮肉にも国の殺人は新たなテロを生むだけだ。
また、ペシャワルの襲撃でパキスタン北西部の住民を守る対策が急務となったが、当局は、こちらの対応措置を取っていない。
パンジャブ州の改定された法令に従い、24時間以内にさらに4名の囚人が処刑される模様だ。 大きな懸念は、一連の執行により、当局が繰り返し国際法を侵害することだ。死刑は生存権の侵害である。
多くの命が奪われることも国を覆う空気も、尋常ではない。政府はこれ以上の執行を直ちに停止し、死刑の執行停止を復活するべきである。
アムネスティ国際ニュース
2014年12月19日
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