- 2014年11月22日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:地域紛争
今回の殺害は過去6年間にエルサレムで起きた民間人襲撃の中で最悪のものだ。
西エルサレムのシナゴーグ(ユダヤ教礼拝所)で11月18日朝、武装した男数人が礼拝に来ていた人たちを襲撃した。この襲撃で、イスラエル人4人が死亡し、8人が負傷した。人道の原点を徹底的に軽んじる行為である。
この殺害は過去6年間にエルサレムで起きた民間人襲撃の中で最悪であり、言語道断である。
襲撃者らは、東エルサレム在住の親類同士だといわれている。今のところ、襲撃声明を出したグループはないが、ハマスとパレスチナ武装グループであるイスラム聖戦は共にこの行為を称賛している。パレスチナ自治政府のアッバス大統領は襲撃を非難しているが、イスラエルのネタニヤフ首相は「手荒い方法で対応する」と宣言しており、家屋破壊をはじめとする集団的懲罰など、ヨルダン川西岸地区に住むパレスチナ人への不法行為が激化する懸念がある。
イスラエルと被占領西岸地区ではこの数カ月、パレスチナ人がイスラエルの民間人や軍人を襲撃する事件が急増している。車で歩行者の集団に突っ込んだり、バスの停留所の列にナイフで切りかかるなどだ。
西岸地区入植地郊外では11月10日、イスラエルの住人のグループに車で突っ込もうとした上、3人を刺殺する事件があった。また同じ日に、テルアビブ駅で兵士が刺殺されている。
一方、イスラエル当局はこれらの暴力に人権侵害や国際人道法違反行為で対抗してきた。加害者家族の家屋を破壊する行為もそうである。
この家屋破壊は集団的懲罰であり、国際法で禁じられている。今夏のガザ紛争後、西岸地区では緊張が急激に高まっている。当局は、治安回復のために集団的懲罰などという手荒い方法でパレスチナ人の権利を踏みにじってはならない。
警察はデモ中のパレスチナ人に対する無用で違法な殺害を繰り返してきた。また、イスラエル人の入植者はオリーブを収穫するパレスチナの人たちを襲撃してきた。
イスラエルの治安部隊はパレスチナ人でもイスラエル人でも、どの民間人も保護する義務がある。イスラエル当局は手荒い手段を取るのではなく、どちら側でも民間人を襲撃した者に責任を取らせるようにしなければならない。そうしない限り、加害者を増長させ、流血の悪循環を加速させるだけであろう。
アムネスティ国際ニュース
2014年11月18日
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