- 2014年9月29日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:中国
- トピック:
民主化を求める抗議行動で警察と衝突し、催涙スプレーから傘で身を守る学生たち。(C)Lam Yik Fei/Getty Images
香港で9月27日から週明けにかけて行われた民主派学生の抗議行動に対し、警察は催涙スプレーで応じ、逮捕者も出した。これにより、今週計画されているさらに大規模な抗議に対して、当局が集会や表現の自由の権利を侵害し、強硬策に出る恐れが高まった。
1週間、抗議の座り込みをしていた学生数千人が26日、香港政府庁舎前の、フェンスが張られた市民広場に入り込んだ。別の数千人は、広場外で抗議を続けた。
警察は広場の内外で、催涙スプレーで応じた。広場内の約70人の学生は、警察の包囲で身動きができないまま、逮捕された。 今回の当局の対応は、金融街を占拠する平和的な抗議行動にも強硬な態度で臨むという不穏な兆候となった。
表現と集会の自由の権利行使で逮捕された学生を直ちに釈放するべきである。
金融街の「セントラル」の占拠を呼びかけている団体は、10月1日の中国の建国記念日に、香港中心部の金融街を占拠する1万人規模の抗議行動を呼びかけてきた。中国政府が決めた香港の「普通選挙」の実施方法に、学生は抗議の声をあげてきた。2017年の行政長官選挙から民主派の候補が排除される恐れがあるためだ。
平和的な抗議行動の排除は、表現と集会の権利を保護する国際法に違反する。警察の力の行使は明らかに無用で、認められるものではない。
警察は参加者を鎮圧するのではなく、抗議が平和的に行われるように促す義務がある。また当局は拘束した学生が弁護士と連絡できるようにすべきであり、負傷者には手当が受けられるようにするべきである。香港は、こうした諸権利を定める自由権規約を遵守する義務がある。香港の憲法的法律とされる香港基本法は、第27条で表現・報道・出版の自由を保障している。公共のスペースで平和的抗議を行うのは、公園であろうと金融街であろうと合法である。
当局が、抗議行動が交通の支障になるとか事前申請がなかったとして、抗議を違法とすることは認められない。香港ではデモを行う場合に、許可申請が義務づけられている。国際法では、事前通知を義務づけることはできるが、許可がないからと禁止はできない。
アムネスティ国際ニュース
2014年9月27日
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