- 2014年7月24日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ケニア
- トピック:難民と移民
ケニヤ当局は、難民であふれかえったキャンプにソマリ人数千人を強制移転させようとしている。(C)SIMON MAINA/AFP/Getty Images.
6月30日に、ケニアの高等裁判所は、難民を市街地から難民キャンプへ移転させることは合憲だとの裁定を下した。ソマリア難民が、この裁定に反対を訴えている。
この高裁の決定は首都ナイロビで生活する難民全体に深刻な影響を与える。移転は、国の安全を守るという口実のもとでの弾圧であり、難民が同国でなんとか築き上げてきた生活を簡単に壊す。
これまでに、何千人もの難民がキャンプに強制的に移され、さらに数百人がソマリアへ送還された。その結果、暮らしは崩壊し、子ども300人以上が親と引き離され、子どもは学校へ通うことができなくなった。
ダダーブ(ケニア東部、ソマリアとの国境に近い町)とカクマ(同北部南スーダンに近い)の難民キャンプには、オレレンク首相の命令で、5000人以上が移転させられた。しかし、キャンプはすでに過密状態で、新たに受け入れる余地はなかった。治安は悪く、食料は不足し、教育や医療不足は特に深刻で、住処を確保する場所すらほとんどなかった。
南スーダンの紛争地域からも何万人もが国境を越えて押し寄せ、難民キャンプは危機的な状況にある。その一因は政府にある。
ナイロビのイーストリー地区自治会の代表フセイン・モハメド・ハジさんは、アムネスティに「ソマリアの人びとをキャンプに無理やり移すのは、致命的な打撃だ」として、次のように語った。
「2006年に私たちはケニアに迎え入れられ、外国人カードをもらった。ここでもらえないのは選挙権だけだと、入国管理局員に聞かされていた。みんな、銀行口座を開き、商売を始めた。不動産を買う者もいた。なぜキャンプに行くのか? どうやって商売を続けるのか? どうすればいいのか分からない」
アムネスティ国際ニュース
2014年7月11日
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