- 2014年7月10日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:危機にある個人
異論封じに厳格な法律を適用する当局の姿勢は以前と変わっていない。 (C) Soe Than WIN/AFP/Getty Images
ビルマ(ミャンマー)のパコック地方裁判所は7月10日、国家機密を暴露したとしてメディア関係者5名に、重労働を含む懲役10年の刑を科した。同国の表現の自由を大きな影を落とす判決となった。
5名は、Unity新聞社の記者、ルーモーナインさん、ヤーザーウーさん、パインテッチョーさん、シットゥーゾーさんとCEOのティンサンさん。
同紙がマグウェ地域の工場で化学兵器を製造していると報道したため、5名は1月31日と翌日にかけて逮捕され、国家機密法に違反したかどで起訴された。同紙は単に市民が関心を寄せる問題を取材し掲載したに過ぎない。
アムネスティ・インターナショナルは、5名を良心の囚人とみなし、その即時・無条件の釈放を求めている。
同国では、年初から報道の自由に対する締め付けがますます厳しくなっている。政府はこの弾圧を止めることを約束していたが、そんな状況で今回の判決が出され、同国の人権状況を改善するとした政府の公約がうわべだけであることが明らかになった。
批判的意見や公正な報道を規制するために厳格な法律を適用する当局の姿勢は、軍事政権と変わっていない。当局は、表現、結社、平和的な集会の自由の権利を不当に制限するすべての法律を廃止、もしくは改正するべきである。
背景
テインセイン大統領は昨年、昨年末までに良心の囚人をゼロにするという約束をした。にもかかわらず、平和的な活動家や人権擁護活動家の逮捕・収監を依然として続けている。
アムネスティは、特に記者などのメディア関係者の逮捕や拘禁を懸念している。7月8日には、ビモンテネー・ジャーナルの編集者3名が逮捕・拘禁されたと模様だ。同ジャーナルが、アウンサンスーチー野党党首と数名の少数民族の指導者が暫定政府の構成メンバーに任命されたという記事をその前日に掲載したためであった。
アムネスティ国際ニュース
2014年7月10日
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