- 2013年11月22日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:危機にある個人
釈放された良心の囚人のひとり、ノーオウンラさん (C) Flora Bagenal
ビルマ当局は11月15日、政治囚を含む69人を釈放した。その中には、「良心の囚人」も数人含まれている。この釈放はもちろん歓迎すべきことだ。しかし、平和的な活動をして囚われの身となっている人がまだ数多くいるのも事実である。
テインセイン大統領はこの7月英国を訪問中に、今年中にすべての良心の囚人を釈放すると宣言した。しかし、約束を実現するのに残された時間はもうあまりない。
アムネスティ・インターナショナルは、平和活動家や人権活動家から、「単に自分たちの意見を表明しただけでいやがらせをうけ、収監されかねなかった」という報告をたえず受けている。
このような平和的な活動への脅威は、すぐに排除しなければならない。さもなければ、今回の釈放が意味をなさなくなる。
釈放された人の中にはカレン族の著名な女性人権活動家ノーオウンラさんがいる。ノーオウンラさんは今年8月、銅山開発計画に反対して抗議行動をしたため、重労働懲役2年の刑を受け、今回条件付きで釈放された。
そもそも、彼女に収監される理由はなかった。平和的に抗議しただけである。釈放に条件が付き、別件でも容疑をかけられたままなのは筋違いだ。当局は、同様の扱いを受けている人びとともに、ノーオウンラさんを無条件で釈放するべきである。
そのほか、釈放されていない人の中には、ロヒンギャのイスラム教徒の医師トゥンアウンさんや著名な活動家のチョーラーアウンさんがいる。トゥンアウン医師は、昨年、コミュニティ間の衝突を止めようと活動したために懲役17年の刑を受けた。チョーラーアウンさんは今年7月15日から恣意的に拘禁されている。現在裁判中で、長期刑を受ける可能性がある。
2人もまた、即時に釈放されるべきである。彼らは単に平和的な活動をし、表現の自由という権利を行使しただけで、刑務所に入れられているのだ。
政府は、民主化への動きの中で、また民主化後も、市民社会や人権活動家たちが嫌がらせを受けず、犯罪者にされる恐れを抱かずに活動できる自由を保障しなければならない。
アムネスティ国際ニュース
2013年11月15日
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