- 2013年9月11日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:アルメニア
- トピック:危機にある個人
アムネスティは表現・結社・集会の自由を推進するよう, セルジ・サルキシャン大統領(中央)に要請した ©Demotix
アルメニアの首都エレバンの活動家2名が、暴徒の襲撃を受け、重傷を負った。当局は事件を即刻、徹底的に捜査し、加害者を裁かなければならない。
政府は、活動家が干渉、障害、差別などを受けることなく、また、報復を恐れずに活動ができるようにすることを約束していた。この約束を記憶しているなら、せめて、今回の襲撃事件を公正で実効性のある捜査を行い、加害者を見つけだし、裁判にかけることである。
スレン・サガテリアンさんとヘイカック・アルシャミアンさんは9月5日、アルシャミアンさんのアパートの中庭で男6名に襲われた。襲撃は2分もなかったが、頭部に殴る蹴るの暴行を受けた2名は入院した。
サガテリアンさんは鼻と指を骨折し、脳震とうを起こし、頭部数カ所に打撲傷を負った。鼻の骨折は直ちに手術を必要とした。もう一人はあごの傷を縫合した。
アルシャミアンさんは、自分たちの市民社会運動をしているために襲撃されたことは間違いがないという。「この襲撃は市民社会とメディアに対する攻撃だ」とも述べている。
スレン・サガテリアンは「腐敗の可視化センター」の理事であり、貧困の子供や住民の暮らしの向上を目的とするキリスト教系人権団体であるワールド・ビジョン・アルメニアの事務局長でもある。
アルシャミアンもまた同センターのメンバーで、エレバン記者クラブのプロジェクト・コーディネイター、シンクタンク「地域研究センター」のプロジェクト・コーディネイターでもある。
2人とも政党や政治的団体には所属していないが、最近政府がユーラシアン連合への加盟を決定したことに対する抗議活動に積極的に参加していた。
アルシャミアンさんは3日前からEU参加決定を批判するメッセージを投稿していた。また9月5日には、エレバンにある大統領官邸の外で行われたデモに参加した。デモ参加者の大多数が若い活動家だったため、ヘイカックが指導者としてデモを組織したと思われたようであるが、それは事実ではない。
市民社会活動家は、干渉、障害、差別などを受けることなく、また、報復を恐れずに活動できなければならない。政府には、表現・集会・結社の自由の権利を推進する義務がある。実のある捜査を行うことによってのみ、人権に対する義務を真摯に受け止めていることを示すことができる。
アムネスティ国際ニュース
2013年9月11日
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