- 2013年7月25日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:危機にある個人
プッシーライオットのメンバー、マリア・アリョーヒナさんの仮釈放は却下された。
ロシアのペルミ裁判所は7月24日にあった控訴審で、ロシア正教会の聖堂での抗議パーフォーマンスで投獄されたパンクグループ、プッシーライオットのメンバー、マリア・アリョーヒナさんの仮釈放を却下する判決を下した。これは、法の正義を一層歪める茶番である。
この判決で、ロシア政府が表現の自由には妥協せず、抑圧する姿勢が一層明確となった。
女性パンクグループ、プッシーライオットは昨年2月、モスクワの正教会の首座聖堂でプーチン政権に抗議する歌を歌って、アリョーヒナさんのほかトロコンニコワさん、サムツェビッチさんの3人が逮捕された。その後、「宗教的嫌悪によるフーリガン行為」の容疑で禁錮2年の判決が下された。3人は控訴したが、サムツェビッチさんのみ昨年10月、執行猶予となっていた。
また、今年1月には、アリョーヒナさんは息子(5歳)のために早期の釈放を申請したが、一審の審理ですでに考慮されたとして、却下された。
プッシーライオットの抗議行動は、そもそも逮捕されるべき行為ではない。
彼女たちは、自分たちの信念を平和的に表現しただけで自由を奪われた「良心の囚人」である。ロシア政府は直ちに2人を釈放し、執行猶予中のサムツェビッチさんも含め全員を無罪にすべきである。
今回の裁判所の判決は、言論の自由をさらに脅かす。人権を擁護・促進すべき国の義務をなおざりにし、批判者に嫌がらせをする傾向があらわになった。
判決の数日前には、100名を超える国際的ミュージシャンらが、当局に2人の即時釈放を求めるアムネスティの要請に賛同し、2人への公開レターに名を連ねた。
そのうちのひとり、アンジェリーク・キジョーさんは、次のように語った。「若い母親のマーシャ(アリョーヒナさん)の投獄は大変ショック。仲間やアムネスティのメンバー、世界中の人たちと、このとんでもなく不当な収監から釈放するように要求し続けたい。プッシーライオットに釈放を!」 レターの公表後わずか2日で、検事総長宛ての即時無条件釈放の請願書に、世界で15000人以上が署名した。署名の数は今なおも増え続けている。
刑務所に収監されているもう一人、トロコンニコワさんの仮釈放の控訴審は7月26日、留置所があるモルドヴィア共和国の最高裁で開かれる。
アムネスティ国際ニュース
2013年7月24日
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