- 2013年4月24日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ポーランド
- トピック:強制立ち退き
強制立ち退きで子ども35人がホームレスになる。© Tomasz Grzyb
ポーランドに住むロマコミュニティが、国際人権法に著しく違反する立ち退きやホームレスの危機に瀕している。
ポーランドではまれなケースだが、同国西部ヴロツワフ市が、市有地にある非公認居住区から約60人のルーマニア系ロマの人びとに対して代替居住区を提供することもなく強制的に追い出そうとしている。
60人にもおよぶ強制退去は、政府には人権を守る義務が明らかにあるだけに、実に受け入れがたい対応である。
60人のうち35人は子どもで、彼らがホームレスになる前に新たな住居を提供すべきである。
3月26日、この居住者たちは14日以内に退去するよう通知を受け取ったが、市当局は新たな住居に関して彼らと協議を一度もしていない。
もし当局が適切な代替住居の提供や協議をしなかった場合、この立ち退きは国際人権法および基準に違反することになる。
アムネスティ・インターナショナルはヴロツワフ市政に対して強制退去を中止するよう要求する文書を送った。しかし、何の反応もなく、数週間以内に執行されるのではないかと懸念している。
カミエンスキエゴ通り沿いのこのコミュニティは、ヴロツワフ市の別の場所から追い出されて以来、3年間当地区で生活している。彼らには、公衆衛生や教育のサービスが受けられない。唯一の支援は現地のNGOからのもので、青少年の活動や子どもたちのための教室である。
退去命令は4月8日の国際ロマ・デイの直前に通達された。アムネスティが欧州連合 (EU) に、おびただしい数のロマの人びとを貧困、悲惨な生活環境、そして相次ぐ強制立ち退きに追いやるヨーロッパ全域の人種差別を止めるように要請しているときだった。
EUの一員であるポーランドがこのようないじめの戦術を使うのはひどすぎる。
大多数の同国のロマの人びとはポーランド国籍であるが、この国にあってカミエンスキエゴ通りは、極めて希な非公認ロマ居住区の一つである。
アムネスティ国際ニュース
2013年4月4日
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