- 2013年1月26日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:米国
- トピック:「テロとの闘い」における人権侵害
米国政府は、無人機による攻撃を含む「標的殺害」(ターゲット・キリング)の「マニュアル」をまとめていると報道されている。米国による致死的な武力行使は、国際法に沿ったものでなければならない。
週末、米国メディアが報じた所によると、バラク・オバマ政権は対テロ政策策定ガイドラインをまとめているという。
だが、この問題についてはすでにルールブックがある。それは国際法だ。米国政府による「標的殺害」についての政策は、全面的に開示されるだけでなく、国際法を遵守するものでなければならない。
今まで、政権高官らが公にしてきた弁明では単に、この政策が国際法違反の超法規的処刑を認めているかのようである。
米国政府はこれまで、米国と武装集団の間の戦場として全世界を捉える「世界規模の戦争」法理論に拠ってきた。しかし、この考え方はどんな政策ガイドラインからも排除すべきだ。そうでなければ、致死的な武力が、人権基準を無視して、意図的に行使されるのは明らかだろう。
作成中の「マニュアル」は、パキスタンでのCIAの作戦とは関わりがないとのことである。パキスタンでは300回を超える無人機の攻撃により、戦闘員と思われる人びとだけでなく民間人も殺害していると報じられている。
さらにこれらの報道は、パキスタンや世界各地でのCIAの作戦をめぐって、徹底した秘密主義と独立した監視がなされていないことを浮き彫りにしている。
オバマ大統領は2期目の就任にあたり、「標的殺害」と無人機による攻撃について、政策と行動に関わる全ての法的情報と事実を、今こそ公表しなければならない。また、米国の対テロ作戦で、国際法を超越した行動をとることはできない、という明確な意思表示をすべきである。
アムネスティ国際ニュース
2013年1月21日
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