- 2013年1月23日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:
裁判所はマリア・アリョーヒナの刑執行の延期を認めない決定を下した(C)Denis Bochkarev
ロシア法廷は1月16日、プッシーライオットのメンバーの1人、マリア・アリョーヒナの刑執行の延期を認めない決定を下した。この決定は、獄中のパンク歌手に対するこれまでの不正義を、さらに繰り返すことになる。
今回の裁判所の判決は、またまた司法の茶番である。
プッシーライオットのシンガー3人は、そもそも起訴されるべきではなかった。この判決で、ロシア当局は表現の自由では弾圧の手を緩めない、ということをあらためて示した。
当局は、マリア・アリョーヒナとナジェージダ・トロコンニコワを即時かつ無条件に釈放すべきだ。また、エカテリーナ・サムツェビッチの執行猶予付きの判決は、破棄されるべきである。
いかなる反対意見をも封じるロシア当局
女性クループ、プッシーライオットのこの3人を含むメンバーは2012年2月、モスクワのロシア正教会の首座聖堂で政府を批判する歌を歌ったとして、「宗教的嫌悪によるフーリガン行為」で起訴された。その結果、3人全員が禁錮2年を宣告され、後日エカテリーナ・サムツェビッチは控訴し、執行猶予の判決を受けた。
マリア・アリョーヒナが刑に服している、ウラルにあるペルミ地区ベレズニキ市裁判所は、「彼女が若い母親であることは昨年、1審の判決時にすでに考慮されていた」という理由で、刑の延期を退けた。幼い息子は、彼女の母親が面倒を見ている。
ナジェージダ・トロコンニコワも2012年10月、同じような訴えを始めた。
今回の判断は、いかなる反対意見をも封じるロシア当局の抑圧的方針に沿うものである。明かに表現の自由という権利での1度の表現行為で、3人のパンク歌手は何か月も拘禁による屈辱と苦難をしいられてきた。マリア・アリョーヒナとナジェージダ・トロコンニコワにとっては、その状況が今後も続く。
プッシーライオット3人の裁判には政治的な意思によるものであり、攻撃性をはらんでいたとしても、正当な抗議行動に対する不当な起訴である。
アリョーヒナとトロコンニコワは、信条を平和的に表現しただけで拘禁された良心の囚人である。アムネスティのメンバーは現在、世界中のプッシーライオット支持者やアリョーヒナの釈放に取り組む人びとと、連帯して支援活動を行っている。
アムネスティ国際ニュース
2013年1月16日
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