- 2012年12月28日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:カンボジア
- トピック:強制立ち退き
ヨルム・ボファさん (C) Jenny Holligan
カンボジアで女性人権擁護活動家2人が、でっち上げの罪で長期の禁錮刑を受ける可能性が高い。当局は、2人を直ちに釈放すべきだ。
ヨルム・ボファとティム・サクモニイは12月26日、プノンペン市裁判所で判決が出る予定だ(*)。有罪の場合、最長5年の禁錮刑になる模様である。ボファは窃盗容疑者を暴行したとして、一方サクモニイは障がいのある息子を施設に入れようと「虚偽の申告」をしたとされる。
2人は今年9月初めに逮捕されて以来、審理前の拘束を受けている。土地と居住権を求めて、平和的に戦っている活動家の声を封じようとして、根拠のない罪をかぶせているように思われる。
アムネスティは良心の囚人とみなしている。当局は直ちに無条件で釈放すべきだ。
彼女たちは、コミュニティの強制退去に抗して平和裏に毅然と戦ってきた活動家だ。ティム・サクモニイは、プノンペン中心部にあり、取り壊されたボレイ・ケイラコミュニティの隣でみすぼらしい暮らしをする106家族の代表者の1人だ。
今年1月300人以上がコミュニティから立ち退かされた。開発業者のファニメクスが約束した住居を要求している。今になって、資金がないため約束を果たせないと言う。
ヨルム・ボファは、ボン・コック湖の女性活動家13人の釈放を要求する中心的な存在だ。女性たちは今年5月、平和的な抗議に参加しただけで最長2年半の禁錮刑に処せられた。
ボン・コック湖コミュニティの家族は2007年以来、強制退去に抵抗している。政府はその年、その土地をシャカク社に開発用にリースしたのだ。
このケースは、カンボジアの人権状況が不気味なほど悪化している状況を象徴している。その悪化が今年、加速した。
(*)裁判所は12月26日から27日かけて、ヨルム・ボファに禁錮3年、ティム・サクモニイには執行猶予付き6カ月の判決を言い渡した。
アムネスティ国際プレスリリース
2012年12月19日
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