- 2012年12月20日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:トルコ
- トピック:
人権活動家のハリル・サヴダ氏(C)AI
トルコで、良心的兵役拒否者を支援する抗議行動に参加したために起訴された4人に、無罪判決が下された。この度の判決は、表現の自由を守る活動に弾みをつける勝利である。
トルコ北西部の町エスキシェヒルの裁判所は12月12日、トルコ刑法に定める「兵役拒否を扇動した罪」で起訴された人権活動家ハリル・サヴダら3人に、無罪を言い渡した。
この事例は2011年、彼らの仲間であるエンヴェル・アイデミルが良心的兵役拒否を行ったことに対する審理の際、彼らが街頭で抗議行動を行い、起訴されたことがきっかけだった。
エンヴェル・アイデミルの事例は、その1年前にトルコ軍の「トルコ人はだれでも生まれながらの兵士」というスローガンをもじった、「だれでも生まれながらの赤ん坊」として有名になったものである。
この判決は、トルコ人はだれでも生まれながらに表現の自由などの権利を持つことを示した。
被告の無罪判決に際して、裁判所は「彼らの抗議行動とスローガンは、世界人権宣言、ヨーロッパ人権条約及びトルコ憲法で保護されている。なぜなら、それらは暴力を伴ったり呼びかけたりしておらず、民主的な社会においては、動揺や混乱を招くとしても、表現の自由としてみとめられるべきものだ」と判示した。
サヴダは、単独の被告だった他の同様の事件でも、13日に無罪判決を受けた。
2月、同じ条文により下された有罪判決を最高裁判所が支持したことで、この人権活動家の100日間の刑期が始まった。彼は、判決の執行に関する法律改正に伴い、4月に条件付きで刑期満了前に釈放されていた。
サヴダは、もう1件別の有罪判決について最高裁で審理されている。
アムネスティ・インターナショナルは、ここ数年間、兵役拒否を扇動する行為を犯罪とするトルコ刑法318条によって有罪を言い渡されようとしているサヴダと、他の数人に対する起訴を取りやめるよう、キャンペーンを展開してきた。
良心的兵役拒否者と、支援者の表現の自由の行使を犯罪とすることは、表現の自由を擁護するべきトルコの国際的な義務に違背する。アムネスティはトルコ政府当局に対し、刑法318条をきっぱりと廃止することを引き続き呼びかけていく。
アムネスティ国際配信ニュース
2012年12月19日
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