- 2012年7月31日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:イラク
- トピック:死刑廃止
2012年の前半期だけでも、イラクは少なくとも70人を処刑している。これは前年の総処刑数を上回る。
イラクのアンバール県で、200人近くの死刑執行が承認された。アムネスティ・インターナショナルはイラク当局に対し、すべての未処刑の死刑判決を減刑し、死刑廃止を視野に入れ、死刑執行を一時停止するよう求めた。
アンバール県西部の警察署長は7月23日、「最高裁が、196件の死刑判決を支持する判決を下した」と発表した。
この判決が、大統領評議会によって承認を受けているかどうかは、明らかではない。
死刑判決確定の発表には処刑の時期は記されていないが、「早い時期に行いたい」と表明されている。
この驚くべき発表について、アムネスティの中東・北アフリカ地域部長フィリップ・ルーサーは、「イラク当局はすべての死刑判決を減刑しイラク全国の死刑執行の一時停止を宣言するよう、すみやかに行動すべきだ」と述べた。
イラクは、2012年の前半期だけでも、少なくとも70人を処刑している。これは前年の総処刑数を上回る驚異的な数だが、もし今回の死刑判決が執行されると、今年の総数はすでに処刑された数の4倍に達する。
アムネスティが得ている情報によれば、2011年にイラクは少なくとも68人を処刑した。現在イラク全土での死刑囚は何百人にものぼるとみられている。
イラクでは2003年の米国主導による侵攻後に死刑が中止になったが、2004年8月に復活した。それ以来、何百人もが死刑判決を受け、多くが処刑されている。
死刑は生きる権利を侵害するもので、最も残虐で非人道的、そして人間の尊厳をそこなう刑罰であり、アムネスティは、あらゆる死刑に例外なく反対する。
アムネスティ国際配信ニュース
2012年7月24日
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