- 2012年5月 2日
- 国・地域:バーレーン
- トピック:変革を求める中東・北アフリカ
4月23日、首都マナマの控訴裁判所は、わずか数分の審理で控訴裁判を4月30日まで延期すると決定した。その理由は、明らかにされていない。これは、4月2日に裁判が開始されてから2度目の延期である。
この延期は、王国主催のフォーミュラワン・グランプリ・レースに対して大規模な街頭デモが行なわれていた週末、抗議者の1人が死亡した後に発表された。死亡事件についての調査が開始された。
「バーレーン当局の裁判延期は、ハンガーストライキの75日目に入って死の淵にあるアルカワジャの生命を弄ぶものです」とアムネスティ中東北アフリカ部副部長ハシバ・ハディ・サラウイは述べた。
「この訴訟におけるアルカワジャと13人の被告たちは良心の囚人です。彼らは、昨年政府への抗議行動の際に、表現の自由の権利を平和的に行使したに過ぎません」
アルカワジャは、「釈放されるまでハンガーストライキを続けるつもりである」と述べていた。しかし、釈放の見込みは4月30日まで期待することができず、彼の生命への懸念は高まっている。
4月23日の審理の間、裁判所は柵で囲まれ警備員が配置された。弁護士と家族1人だけが立ち会いを許された。
被告14人すべてが法廷に入ることができなかった。
52歳のアルカワジャは、昨年の政府に対する抗議の指導者として終身刑の判決を受けている。彼の家族が22日夜に彼と会ったときの言葉は、ハンガーストライキを続けるということを決意してよかったと思っている、それによって死ぬとしても「少なくとも自由になる」というものであった。
アルカワジャの娘ザイハブ・アルカワジャは、4月21日夜に父親の収監に抗議して再び逮捕された。彼女は、交通を混乱させ、警官を侮辱したとの容疑で拘禁されている。
ザイハブの弁護士によれば、尋問の結果は4月23日夜に判明する。彼女は拘禁中も家族と連絡を取ることはできるが、電話は1分間に制限されている。
「グランプリ・レースは、バーレーンの人びととは関わりなくやって来て去ってゆきました。メディアの関心は移り変わりますが、バ−レーン当局の人権問題に対する姿勢はまだ変らないままです」とサラウイ副部長は述べている。
アムネスティ国際配信ニュース
2012年4月23日
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