- 2012年5月 1日
- 国・地域:中国
- トピック:危機にある個人
「中国当局は、1年半にわたって陳光誠と家族を違法に自宅軟禁状態におき、殴打し、外出を禁じ、食料品の買い物さえできないようにするなどひどい仕打ちをし続けてきました。今こそ、このような醜態を終わらせるときです」とアムネスティの中国調査員サラ・シェイファーは語った。
法律を駆使する活動家・陳光誠は、山東省の臨沂市における強制的な堕胎と避妊手術を告発したことで知られている。自宅軟禁から19ヵ月を超えた今週(4月23日の週)初め、脱出した。
陳光誠の脱出に関与したとして、2人が拘束された。
情報筋によると、陳光誠の支援者で、今回の脱出を手助けした何培蓉(He Peirong)が、その一人である。何培蓉は自分のマイクロブログで脱出の詳細を明らかにしていたが、後にそれは削除された。
陳光誠の兄の陳光復(Chen Guangfu)もまた、拘束されたといわれている。
米国に拠点を置くNGOチャイナ・エイド・アソシエーションによると、陳光誠は今週初め、数人の友人の助けを借りて山東省の自宅から脱出した。同団体は4月27日、陳光誠は「100%安全な場所」にいると述べた。しかし、アムネスティは陳光誠の所在を確認できず、その身の安全を依然として懸念している。
4月27日に公開されたビデオメッセージの中で、陳光誠は「ついに脱出できました」と語った。そして、彼と家族が自宅軟禁中に受けた虐待は、インターネット上の噂されていたものより、はるかにひどいものだったと報告した。
当局者や当局に雇われた者たちが彼の妻を殴り、左眼付近を骨折させたにも関わらず、妻が治療を受けることを許さなかった、と陳光誠は語っている。彼らは母親も殴打した。彼の娘は毎日、3人に尾行され、学校カバンの中を調べられた、と陳光誠は語った。
さらに、今も軟禁状態にあると考えられている妻の袁偉静や娘を始めとする彼の家族が、当局の「報復」の対象にされるのではないかと身の安全を懸念している、と陳光誠は述べた。
ビデオの中で陳光誠は、何よりも今回の件に関わった者たちを処罰すること、彼の家族を保護すること、腐敗と戦うこと、などを温家宝首相に直接訴えた。
■背景情報
独学で法律を学んだ活動家の陳光誠は、中国の人口抑制政策を実施する名目で臨沂市の当局により多数の強制的な堕胎や避妊手術があったことを暴露し、国際的に知られるようになった。
当局は報復として、2006年に「財物損壊および群衆を集めて交通を妨害」した罪で4年以上の禁固を宣告した。アムネスティは彼を、良心の囚人とみなした。
2010年9月は釈放と同時に、陳光誠と家族は山東省臨沂市東師古にある自宅で、違法な自宅軟禁下に置かれた。
自宅軟禁状態の陳に面会しようとした人びとが、メディアに語ったところによると、訪問者は流血する程殴打され、所持品を取り上げられ、バッグを頭に被せられて村から追いだされた。
盲目の活動家を訪問しようとした有名な試みには、バットマン俳優のクリスチャン・ベイルと彼に同行してしたCNNのテレビクル−が、地元の警備員によって手荒く扱われたことがある。
昨年、自宅軟禁で制約を受けている状況を撮ったビデオを公開した報復として、陳と妻は私服の当局者により殴打された。
陳光誠に触発され、人気のオンライン・キャンペ−ンでは、支援者が黒メガネをかけた自分たちの写真を投稿したり、支援者らのソーシャルメディアの写真にサングラスを付けたりしている。
アムネスティ国際配信ニュース
2012年4月27日
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