- 2012年1月25日
- 国・地域:モンゴル
- トピック:死刑廃止
1月5日、市民的及び政治的権利に関する国際規約の第2選択議定書(いわゆる死刑廃止議定書)を批准する同法案は、モンゴル議会において、圧倒的多数をもって可決された。
「この度のモンゴル議会の投票結果は、死刑廃止に向けた重要な一歩です。モンゴル政府は、これに次いで、死刑制度を完全に廃止する法律を、直ちに施行すべきです」とアムネスティの 太平洋支部長であるサム・ザリフィは述べた。
「モンゴル政府は、死刑制度を廃止することによって、アジア・太平洋の他の国々が後に続くべき基準をつくることができるのです」
アムネスティは、モンゴルにおける死刑制度を廃止するために、キャンペーンを行ってきた。モンゴル議会が、死刑制度の存置を明記した国の法令の規定を削除しない限り、死刑制度は同国の法律として存置されることになる。
同国の刑法は現在、「テロリズム」、虐殺、強かん、サボタージュ、計画殺人、政府関係者および公的な人物の暗殺などを含む犯罪に対し、死刑を適用している。そして現在、これらの犯罪をおかしたとされる59人の囚人が、死刑囚となっている。
同国の機密情報に関する法律のために、同国の死刑の行使に関する情報は、一般に公開されることがない。
2005年から2009年にかけて、12件の死刑執行があったことを、アムネスティは確認している。
モンゴルのツァキア・エルベグドリ大統領は、2010年1月14日、議会に向けて演説し、死刑廃止に向け、死刑の執行を停止すると宣言した。この発言は、国際社会の歓迎をうけた。
現在、全世界の3分の2を超える国々が、法律上または事実上、死刑制度を廃止している。
アジア太平洋地域では、、世界の他の国々を合計したよりも多くの人びとを処刑している。この地域の中で、14ヵ国が死刑制度を存置し、この10年間のうちに死刑を行っている。中国は、世界でもっとも多くの死刑を行っている。
一方で、アジア・太平洋地域の41ヵ国のうち、17ヵ国がすべての犯罪について死刑制度を廃止している。また、9ヵ国が事実上の死刑廃止国(10年以上死刑執行を行っていない国)であり、フィジーは軍事的な犯罪にのみ、死刑を例外的に適用している。
アムネスティ発表国際ニュース
2012年1月5日
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