- 2011年6月20日
- 国・地域:ロシア連邦
- トピック:危機にある個人
チェチェン共和国のラムザン・カディロフ大統領を中傷した罪で告訴されていたロシアの人権活動家オレグ・オルロフに対し、モスクワの裁判所は無罪判決を言い渡した。
人権団体「メモリアル」の代表であるオレグ・オルロフは、人権活動家ナタリア・エステミロワの殺害にカディロフ大統領が関与していると述べていた。メモリアルのメンバーであり、オルロフの同僚でもあったナタリア・エステミロワは、2009年7月にチェチェンで誘拐され、殺害された。
「チェチェンの人権活動家が多大な脅威にさらされている中、この度の判決は、わずかではありますが、法の支配と表現の自由に敬意が払われていることを示しています」とアムネスティのヨーロッパ・中央アジアプログラム部長ジョン・ダルフセインは述べた。
「ロシアの司法制度は次なるステップとして、ナタリア・エステミロワの殺害に関して徹底的な捜査を行い、殺害の責任者を裁きにかけなければなりません」
裁判官は、オルロフはたんに個人の意見を述べただけであり、カディロフ大統領を不当に中傷したわけではないとして、無罪を言い渡した。
裁判では、ナタリア・エステミロワがチェチェンで活動をしていた際に多くの脅迫を受けていたことが明らかになった。エステミロワはそのことを、親しい友人にのみ告げていた。
ナタリア・エステミロワの殺害以後、メモリアルはチェチェンでの活動を停止しており、チェチェン当局は人権活動家に対して脅迫や嫌がらせを続けている。
アムネスティは、オレグ・オルロフの審理の間一貫して、彼に対する告発を取り下げるよう呼びかけていた。カディロフ大統領はすでにオレグ・オルロフに対し、名誉毀損の罪で民事訴訟を起こしている。
メモリアルは、人権擁護活動で貢献があった人物や団体に贈られるサハロフ賞を2009年に受賞している。
アムネスティ発表国際ニュース
2011年6月14日
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