- 2011年6月15日
- 国・地域:ブラジル
- トピック:危機にある個人
6月6日、トカンティンス州のパルメイラスで労働者2人の宿営に弾丸が撃ち込まれた。この野営地には40世帯が暮らしており、恐喝行為は昨年10月から続いている。
農地の所有者と地元の労働者との間では、長期にわたり土地争いが続いている。この紛争は、農家に雇われた殺し屋が労働者を脅すまでに至っている。
「労働者のリーダーたちが殺害の標的とされている今、我々は集落に暮らしている人びとの身の安全を憂慮しています」と、アムネスティのブラジル調査員パトリック・ウィルケンは述べた。
「ブラジル当局は農村の人びとの人権を守り、すべての暴力と威嚇行為を調査し、法に基づいて犯人を裁く必要があります」
2003年、農地改革の責任を負うブラジル連邦機関は、大型営農団地、アセンタメント・セントアントニオ・ボム・ソッセゴを建設した。土地を追い出された労働者たちは、近郊のヴィトリア野営地に落ち着いたが、その後に農家と違法伐採者がヴィトリアに移り住み、野営地の労働者たちを攻撃し始めた。
2010年10月16日には、地元の労働者のガブリエル・ヴィセントが、農家に雇われたと思われる殺し屋に射殺された。さらに5人の労働者が殺し屋の標的とされ、小屋に放火されるなどして幾度にもわたり恐喝されたという。しかし警察は、労働者の訴えに十分に対応していない。
ブラジルでは1970年以降、千人以上が土地論争が原因で殺害されているが、実際に起訴に至ったのはごくわずかである。
またこの数ヵ月間に、アマゾン熱帯雨林の地域で人権活動家を狙ったとされる殺人が数件報告されている。
「ブラジル経済の急成長をうけ、農地の開発が進んでいます。ブラジル当局は人権を尊重し、地元の集落に対する恐喝行為がなくなることを保障しなければなりません。そのためにも政府は農地改革を完了させ、脅かされている地域の人びとの安全を確保すべきです」とパトリック・ウィルケンは述べた。
アムネスティ発表国際ニュース
2011年6月8日
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