- 2011年5月20日
- 国・地域:ミャンマー(ビルマ)
- トピック:死刑廃止
ビルマ政府は16日、現在服役しているすべての者の刑期を一年短縮し、死刑を終身刑に減刑したと発表した。
「刑期の短縮は政治囚にとって良い知らせではありますが、驚くほど不十分です」 とアムネスティのビルマ調査員であるベンジャミン・ザワッキは述べた。「これらの措置は、ビルマにおいて何としても必要である、すべての良心の囚人の包括的な釈放からは程遠いものです」
アムネスティはまたビルマに対し、死刑を減刑するのみならず、死刑廃止の世界的な動向に加わるよう要求した。
1988年以降、 ビルマにおいて死刑囚が処刑されたということは知られていないが、死刑は依然として法令集に存在し、死刑判決は引き続き下されている。
「このたびの死刑の減刑は励みになります。次は、ビルマにおける死刑を廃止するために、すべての立法の改正を実現すべきです」とザワッキは述べた。
ビルマ当局は2200人以上の政治囚を拘束しており、その多くが拷問やその他の残虐で非人道的、あるいは品位を傷つけるような取り扱いを受けている。彼らは適切な医療のない、粗悪な状態の刑務所に拘禁されている。受刑者の家族から遠く離れた刑務所に入れられることもしばしばある。
国際社会はビルマ当局に対し、たびたび政治囚の釈放を要求してきた。とくに、2010年11月に行なわれた20年ぶりの選挙の直前には、ことさら強く釈放を求めた。しかしながら2011年1月、国連人権理事会において、ビルマ政府代表は同国には一人の政治囚もいないと否認した。
「ビルマ政府は何十年にもわたり、平和的に異議を表明をする人びとを沈黙させるために投獄を行なってきました。それらの人権侵害の証言に対する国際的な非難に対応するため、わずかな譲歩として、刑期の短縮や都合のよい一時的な恩赦を行ってきたのです」とザワッキは述べた。
先週、国連事務総長の特別顧問であるヴィジェイ・ナンビア氏は、選挙後初めてビルマを訪問し、すべての政治囚の釈放を強く訴えた。 アムネスティもまた、ビルマ当局に対し、基本的な自由を保障するための具体的な手段をとるように強く求めた。
「当局は、政府に対する批判的な意見の表明を防止するための電子取引法など、 恣意的に人権を抑圧する法律およびその慣例を、無効化あるいは修正し、司法権は政治的干渉および他の濫用に使われてはならないことを保障すべきです」とザワッキは述べた。
アムネスティ発表国際ニュース
2011年5月17日
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