- 2011年5月19日
- 国・地域:リビア
- トピック:変革を求める中東・北アフリカ
国際刑事裁判所(ICC)の検察官が、ムアンマル・アル・カダフィ大佐の逮捕状を請求した。これは、リビアにおける人権侵害の犠牲者のための正義の実現に向けた第一歩であると、アムネスティ・インターナショナルは16日に述べた。
ICCのルイス・モレノオカンポ主任検察官は16日、人道に対する罪である殺人と迫害の容疑で、カダフィ大佐と大佐の次男であるセイフ・アルイスラム氏、それに軍の諜報部門長アブドラ・アルサヌーシ氏の逮捕状を請求した。
「逮捕状の請求は、同地域における国際的な司法解決と説明責任のための第一歩です」と、アムネスティの法・政策部長マイケル・ボヘネクは述べた。
「ですが、ICCにリビアの事態を付託をするという前例のない措置に合意した国際社会は、正義が選択的になされることを許してはなりません。いかなる基準からしても、現在のシリアの状況は、国連安保理がICCにリビアの事態を付託した際のリビア国内の状況と同程度、惨憺たるものです」
リビア国内で2月から行われているアムネスティの調査は、ICCの委員に対し、人道に対する罪と戦争犯罪の可能性を指摘している。
中東および北アフリカ全土で始まった大規模な抗議の流れをうけ、ベンガジにて反カダフィ派の抗議が始まった今年2月以降、殺人および政府の批判者と疑われる者の強制失踪が続いている。
アムネスティは国連安保理に対し、シリアにおける何百人もの抗議者たちの殺害に関する調査の権限をICCに与え、国際司法の中立性を守るよう呼びかけた。
「真の国際司法は、中東および北アフリカの人びと全員のためのものでなくてはなりません」とマイケル・ボヘネクは述べた。
期待どおりに逮捕状が出された場合、アムネスティはカダフィ大佐に対し、ICCの裁判に受けるために自首するよう求める。国連に加盟するすべての国々は、カダフィ大佐らの安全な避難場所となることを拒まなければならない。
アムネスティ発表国際ニュース
2011年5月16日
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