- 2011年4月 7日
- 国・地域:コートジボワール
- トピック:国際人権法
1万人にのぼる民間人が、国際的に認知されたアラサン・ワタラ新大統領支持派とローラン・バグボ前大統領派の民兵との間で勃発した激しい戦闘から逃げだして、デュエクエ市の教会に避難している。
「コートジボワールに派遣されたUNOCIは平和維持部隊に対し、目前に迫る肉体的な暴力の脅威にさらされている民間人の保護を命じています。これ以上の流血の惨事を避けるために、平和部隊はただちに行動する必要があります」とアムネスティのアフリカ担当副理事長、ヴェロニク・オベールは述べた。
「UNOCIのキャンプはデュエクエからわずか3kmしか離れていません。あらゆる手段を駆使して、すぐ近くで起きている暴力から民間人を保護することを、我々はUNOCIに求めています」
2010年11月の二派が対立した大統領選挙後、コートジボワールの西部地域では混迷がつづいている。紛争に関わるすべての当事者たちが、不当な殺害、女性に対する強かんや性暴力など深刻な人権侵害を行っている。
コートジボワールのアムネスティ現代表に目撃者が語ったところによれば、28日、アラサン・ワタラ新大統領派の武装勢力が、西部ココア地帯の中心部の2都市、デュエクエ市とダロア市の一部または全部を統括している。
複数の情報源によれば、明らかに戦闘の結果、デュコウ市の人びとは水の供給を奪われ、電力も絶たれている。
国内避難民とともに数万人にのぼるデュエクエ市民が、1月の暴力事件が再現する危機的状況にあることをアムネスティは恐れている。1月の暴力事件では、対立する陣営間が激突するなかで約40人が殺害され、多くの女性が強かんや性暴力の犠牲になった。
「国連安全保障理事会はUNOCI平和維持部隊に対して、ただちに行動し、同地区で危険にさらされている国内避難民その他の民間人を、その権限に基づいて確実に保護するべきです」とオーベール副理事長は述べた。
コートジボワールの国連平和維持部隊は、2010年11月の大統領選後、12月になって一段と混迷が深まるなか、民間人保護に乗り出さないことがよくあった。
野党のアラサン・ワタラ候補は選挙での勝利を国際的にも認知されているが、ローラン・バグボ前大統領はこの選挙結果を受け入れようとしない。
「紛争にかかわるすべての当事者は、国際人権法(IHL)を厳格に遵守し、民間人を標的にする無差別または不当な襲撃を二度としないことを保証するべきです。司令官たちは部下の兵士が民間人を保護するために必要な措置をとり、国際人権法の侵害を黙認しないことを明確にしてほしいのです」とオーベール副理事長は述べた。
アムネスティ発表国際ニュース
2011年3月29日
関連ニュースリリース
- 2019年8月21日 [国際事務局発表ニュース]
コートジボワール:激化する反政権派への弾圧 - 2019年1月18日 [国際事務局発表ニュース]
コートジボワール:元大統領ら証拠不十分で無罪 - 2016年8月23日 [国際事務局発表ニュース]
コートジボワール:トラフィグラ社、有害廃棄物の投棄から10年を経ても反省の色なし - 2011年1月11日
コートジボワール:危機打開の交渉合意後に起こった残虐な襲撃