- 2011年4月 5日
- 国・地域:中国
- トピック:危機にある個人
中国出身の元外交官で現在はオーストラリア国籍を持つ楊恒均は、3月27日、自身のブログの管理者に電話し、中国南部の広州空港で3人の男に尾行されていると伝えた。
それ以降、楊の所在は不明であるが、中国当局によって拘禁されていると楊に親しい人びとがアムネスティに報告している。
「楊恒均さんの失踪については非常に憂慮しています。長年続いている活動家や評論家に対する取締りが、ここのところ最大規模となっている最中に起きたからです」とアムネスティのアジア太平洋副部長キャサリン・バーバーは語った。
「先月中に中国で行方不明、あるいは逮捕された平和裏に改革を訴えていた多くの人びとの中に楊さんの名前も加わることになったのです。」
オーストラリア政府からの問い合わせに対し、中国政府の代弁者たちはこれまで楊の所在について関知していないと応えている。
今年2月以降、中東や北アフリカで起きている抗議活動に触発され、中国で「ジャスミン革命」を起こそうと呼びかける声がインターネット上で広がり始め、それ以来、活動家やツイッター利用者、ブロガーたちが逮捕や拘禁、失踪していることを何十件もアムネスティは記録している。
この一斉検挙により正式に刑事告発された中で最も新しい事例としては、四川省の著名なブロガー由雲飛が1カ月間の拘禁の後、3月28日に「国家政権転覆扇動」の容疑で起訴された。
20名以上の活動家や弁護士、ブロガーたちが起訴もないまま拘禁されている。たとえばブロガーの古川は、北京で隔離拘禁されて1カ月が経つ。古川が拷問や虐待を受ける危険に瀕しているのではないかと、アムネスティは危惧している。
「この取締りが緩和される兆しはありません」とキャサリン・バーバーは述べた。
「捜査網は今までになく広く敷かれています。改革を支持するいかなる平和的表現も「国家転覆」とみなすよう中国当局が現在目標を変えつつあるのではないかと我々は危惧しています。」
※訳者注
3月31日、楊恒均はオーストラリア放送協会に自身の無事を伝えた。彼は、国を去ることを計画していると語った。
参照元(ABC):http://www.abc.net.au/lateline/content/2011/s3179339.htm
アムネスティ発表国際ニュース
2011年3月29日
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