- 2011年3月18日
- 国・地域:イエメン
- トピック:変革を求める中東・北アフリカ
報道によれば治安部隊は、サヌア大学の学外でキャンプを設営していたデモ参加者に対して実弾や催涙ガスを使用した。デモ参加者たちは、32年にわたって権力の座にいるアリ・アブドラ・サレハ大統領の退陣を要求している。
「深夜、首都サヌアで治安部隊がデモ隊を襲撃して死者がでました。過去3週間、これで2度目です」とアムネスティのフィリップ・ルーサー中東・北アフリカ副局長は述べた。
「デモ隊に死傷者をだすような苛烈で残虐な治安対策をただちに停止するべきです。人びとには集会を開き、抗議する権利があるのです。」
2月末からはじまったこの騒乱の間、約30人が殺害されたと伝えられている。デモ隊は、政権の改革を求め、腐敗や失業の消滅を要求している。
8日の銃撃のあと、首都の中央刑務所で囚人たちが暴動を起こしたとのことだ。囚人たちは刑務所長の罷免、および新たな政権を求めたと伝えられている。少なくとも2人の囚人が殺害され、60人が負傷した。
8日はまた、南部の町、アデンや首都サヌアの南東のアタクでもデモが発生した。
6日、政府支持者がデモ参加者のキャンプ襲撃し、死者1人、負傷者十数人を招いたと伝えられているが、これに対してイッブ州中央部では、数万人の人びとが街頭にくりだして行動を起こすよう呼びかけた。
4日、北部アムラン州ハルフ・サフヤン地区でも、イエメン軍兵士がデモ隊に発砲した。アムネスティに寄せられた情報によれば、駐屯地の兵士が発砲をはじめたとき、デモ参加者たちは抗議をしていた場所から車で立ち去りかけていたとのことである。イエメン国防相は、軍がデモ参加者に対して発砲したという申立てを否定した。
2月22日に起きた首都サヌアでの夜襲では、目撃者によれば私服の民兵の手を借りた治安部隊が大学の校外にキャンプを設営したデモ参加者に襲いかかり、2人が射殺された。
エジプトおよびチュニジアで起きた大規模なデモ以降、多くの中東・北アフリカ諸国が不安定さを増しているが、イエメンも同じ状況にある。
アムネスティ発表国際ニュース
2011年3月9日
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