- 2011年3月 3日
- 国・地域:リビア
- トピック:変革を求める中東・北アフリカ
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は3月1日、2月20日以降リビアから逃れた7万5000人もの避難民たちに対処するため、チュニジアは援助を必要とするだろうと警告した。UNHCRによると、数千人もの人びとが厳しい寒さの中、二国間の国境で足止めを食ったままである。
UNHCRはまた、2月19日以降、6万9000人の人びとがリビアからエジプトへ入ったと語った。
「すべてのリビアの隣国は、国境を開き続け、暴力から逃れてきたすべての人びとを援助しなければなりません。国際法に基づき、隣国は支援を行う義務を負っているのです」とアムネスティの法・政策部長マイケル・ボヘネクは述べた。
「また国際社会も、暴力から逃れてきた人びとを受け入れるチュニジアその他の国に、緊急の支援と援助を提供するためにできる限りのことをする必要があります。また母国に戻ることを望む移民に対し、彼らが安全になるべく早く帰れるよう、手助けをしなければなりません。」
アムネスティはまた、サブサハラアフリカの国々からやってきてリビアにいた移民が、チュニジアとの国境において追い返されたとのUNHCRの報告を懸念している。
「リビアの動乱を逃れてきた人びとは、分け隔てなく、隣国から保護を与えられなければなりません。入国を拒まれ、さらなる暴力の犠牲となってはならないのです」
フィリピン労働局によると、およそ1万4000人のフィリピン人がリビアに取り残されている。危機が始まる前、労働局は3万人のフィリピン人が同国で働いていたと推定しているが、フィリピンの移民団体(Migrante-ME)がその数は15万にもおよぶと見積もっている。
Migrante-MEによると、労働者の多数はリビアの石油地帯で足止めされているが、一部はトリポリに隠れているという。
その他の移民労働者には、推定6万人のバングラデシュ人、2000〜5000人のネパール人がいて、なんとか逃げ出そうとしている。
現在の危機が始まる前、100万人を超える難民、庇護希望者、移民がリビアにいたとみられている。彼らのうちのほとんどがサブサハラアフリカの国々からやってきた人びとである。
「国際社会は、UNHCRおよびこの度の危機に対処しようと苦心している組織に、援助を提供しなければなりません。問題が悪化する前に、迅速に対応する必要があります」とマイケル・ボヘネクは述べた。
アムネスティは以下のことを呼びかけている。
・隣国に対し:リビア国籍か否かを問わず、リビアから到着したすべての人びとに入国を許すこと
・受入国に対し:到着者を、状況に直接的に対処する手続きと適切なサービスにゆだねることができるようになるまでの間、当面の必要(避難場所、住居、食糧、医療サービスなど)に対処すること。
・国際社会に対し:リビアからの避難民を受け入れる国が当面の必要に対処するのを支援し、避難民が安全な場所にたどり着くために十分な資源を援助すること。
・リビア国籍を有する者に対し、同国の状況が明らかになり、長期的な解決の見通しがたつまでの間、一時的な保護を許可すること
・諸国に対し:重大な犯罪行為、とりわけ国際法下の犯罪にかかわる人びとを選抜し、分離し、適切な処置をとること
・難民もしくは庇護希望者と認められた人びとを、国家による庇護手続き、もしくはUNHCRの手続きにかけること
・国際的保護を要求しない第三国の人びとが安全に故国に戻れるように援助すること
アムネスティ発表国際ニュース
2011年3月2日
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