- 2011年2月24日
- 国・地域:米国
- トピック:子どもの権利
1月25日、ペンシルバニア上位裁判所は、13歳のジョーダン・ブラウンを成年用法廷において裁くという決定に反対する訴えを審理することになっている。罪状は、2009年、当時11歳だったジョーダンが、父親の妊娠中であった婚約者を殺害したというものだ。
ペンシルバニア州検事総長は、ジョーダンを成人として裁くことに同意するよう法廷に求めているが、もしその裁判でジョーダンに第一級殺人の判決が下された場合、仮釈放のない終身刑を受けることになる。
「ジョーダン・ブラウン君のような子どもを、仮出所の機会すらない終身刑を受けるという危険にさらすことは、国際人権法が定めている義務に反しています」とアムネスティのアメリカ部長スーザン・リーは述べた。
世界中で子どもの権利条約を批准していないのは米国とソマリアだけである。子どもの権利条約は、18歳未満で犯した罪に関して、釈放の可能性を含まない終身刑を科すことを禁じている。
「こんな幼い子どもが、仮釈放のない終身刑に直面しうるというのは驚きであり、ましてや自国のことを人権に進歩的に取り組んでいると表明しているような国においてはなおさらです」とスーザン・リーは語った。
ジョーダンは二件の殺人について告発されている。なぜなら被害者は当時妊娠8カ月半であり、胎児も同様に亡くなったためである。
ジョーダンは、ペンシルバニア州法に則って、自動的に成年用法廷で裁判にかけられるべく起訴された。1月25日の審問では、ジョーダンの裁判を成年用法廷から少年裁判所へと移すよう求めるジョーダンの弁護人による訴えを審理する予定である。
現在、仮釈放なしの終身刑を宣告される危機にあるとアムネスティに報告されている中で、ジョーダンは最年少である。しかし米国ではすでに少なくとも2500人が18歳未満で犯した罪により終身刑に服している。
「米国は子どもに対して仮釈放を許さない終身刑を科し続けている世界でただひとつの国です。しかも、それが常習化しています」とスーザン・リーは述べた。
刑事犯として告訴された子どもの待遇に関して国内法を国際基準に準拠させるよう、アムネスティは米国に求めている。
アムネスティ・インターナショナル国際ニュース
2011年1月24日発表
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