- 2010年12月 6日
- 国・地域:中国
- トピック:
三鹿集団が2008年から2009年にかけて起こした粉ミルク事件に対して国民が怒りをあらわにした時期に行われた「公序かく乱」罪容疑の裁判から7カ月経った11月10日、北京市の大興区人民法廷は趙聯海に対し有罪を宣告し、判決を言い渡した。
中国では、メラニンに汚染されたミルクによって少なくとも6人の子どもが亡くなり、30万人以上の子どもが腎臓疾患で苦しんでいる。
「間違いなく、犯罪者ではなく子どもの擁護者として中国国民に捉えられていた男性を当局が収監したことに私たちは愕然としています」と、アムネスティ・アジア太平洋部のキャサリン・バーバー副部長は述べた。
公的なたんぱく質の含有量基準検査に合格するために、三鹿集団が毒性のある工業化学物質メラミンを混入させた粉ミルクを販売していたことが2008年に判明した。
趙聯海自身の幼い子どもがこのミルクによって病気になったため、趙は「腎臓結石にかかった幼児たち」という支援グループとウェブサイトを創設し、親たちが健康問題に関する情報を共有し、事件に関係のある企業の訴追方法についての助言を交換できるようにした。
「趙聯海が自助組織を設立したがために、また自身の持つ法的権利を行使して民営企業に補償を求めたがために逮捕されるなどということは、決してあってはならないことです」とキャサリン・バーバーは述べた。
趙聯海が逮捕されたのは、損害賠償請求の訴訟が始まった2009年11月であった。当局は趙聯海に約3カ月に渡って弁護士との接触を認めず、また家族との面会も禁じていた。
中国当局は、酪農業者とミルクの販売員を死刑に、そして三鹿集団の幹部数人を懲役刑に処した。当局はまた被害を受けた家庭に対し、腎臓結石にかかった幼児1人あたり2千人民元(300ドル)の、またより深刻な場合には3万人民元(4500ドル)までの補償を、そして幼児が死亡した場合には1人あたり20万人民元(30000ドル)の補償を提示した。
当局は2008年に25000トン以上の汚染粉ミルクを押収した。また今年もこれまでに、青海省において64トンのメラニンに汚染されたミルク製品が食品安全当局によって新たに発見されている。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年11月10日
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