- 2010年9月22日
- [国際事務局発表ニュース]
- 国・地域:
- トピック:性と生殖の権利
複数の国連機関が15日に発表した報告によると、妊娠中の合併症によって死亡する女性の数は、1990年の推計54万6000人から2008年に35万8000人に減少した。
統計は、妊産婦の死亡の年間減少率が、1990年から2015年の間に75パーセントの減少を掲げるミレニアム開発目標が達成すべき減少率の半分以下であることを示している。
「毎分一人の女性が死亡するということはもはやないが、新たな報告書によると、1分30秒毎に一人の女性がいまだに死亡している」とアムネスティのウェンディ・ブラウン国際法・政策上級部長は語った。
「これまでの進展をアムネスティは喜ばしく思う。しかし、回避可能であるにもかかわらず、妊娠・出産の際に毎年、何百、何千もの女性が亡くなっている事実は引き続き残っている」
「このような死が回避可能な今日、いかなる女性も出産時に命を落とすべきではない。最も社会的に不利な状況に置かれた貧しい女性たちが、平等かつ適時に救命医療サービスを受けられることを確保するために、各国政府はさらなる行動をとる必要がある」
9月20日から22日の期間にニューヨークで開催される国連サミットにおいて、各国首脳が会合を開き、ミレニアム開発目標の進捗を評価するときにあわせ、新たな統計は発表された。
「すべての女性が妊娠や性と生殖に関する健康と選択の権利を享受することを保証するために、各国政府はその努力を強化する必要がある」とウェンディ・ブラウンは語った。
背景情報
世界保健機関、ユニセフ、国際連合人口基金、世界銀行が9月16日、新しい報告書「Trends in maternal mortality(妊産婦の死亡の現状)」を発表した。報告書は、1990年からの34パーセント減少は、年間平均にしてわずか2.3パーセントの減少率であり、目標を達成するために必要な5.5パーセントに及ばず、すなわちほとんどの国で2015年の達成目標を逃すことになるだろうと指摘している。
アムネスティ・インターナショナルは各地の貧困の悪化を招いている人権侵害を止めることを目的とした<人間らしく生きたい(Demand Dignity)>キャンペーンの一環として妊産婦の死亡の問題に取り組んでいる。キャンペーンは、世界中の人びとを動かし、貧困下に暮らす人びとの声に耳を傾け、彼・彼女らの権利を守ることを認識させることを、権力を持つ各国政府や企業、その他に訴えている。
貧困をなくすための最も知られたグローバル・イニシアチブであり続けているミレニアム開発目標は、10年前に採択されたミレニアム開発宣言をもとに立てられ、2015年までに目標を達成することを公約した世界の首脳によって合意された。