- 2010年9月 6日
- 国・地域:ミャンマー
- トピック:国際人権法
調査委員会の設置は、ビルマの人権状況に関する国連特別報告者が3月に勧告したものである。それ以来、オーストラリア、チェコ、スロバキア、英国、米国は委員会設置に支持を表明していた。
国連総会は、ビルマにおけるすべての当事者による国際人権および人道法違反に関する報告を調査するために委員会を迅速に設置するよう、また、そのような違反行為の加害者をつきとめ、加害者を裁判にかけることを保証するよう、国連事務総長に要請すべきである。
とりわけ委員会は、政府治安部隊による民間人への広範で組織的な迫害、中でもラカイン州のイスラム系が大多数を占めるロヒンギャ、シャン州のシャン、ビルマ東部のカレンなど多くの少数民族に対する弾圧に関する報告に焦点をあてるべきである。委員会はまた、シャン州とビルマ東部における武装集団による国際人権および人道法違反の報告についても調査すべきである。
アムネスティが2008年に発表した報告書『ビルマ東部における人道に対する罪』(原題はCrimes against humanity in eastern Myanmar)は、2005年後半から始まった、カレン州東部とバゴー管区東部における民間人に対する広範あるいは組織的な攻撃の一環である不法な殺害、拷問その他の虐待、強制失踪、強制労働、恣意的逮捕、さまざまな形態の集団的懲罰について記述している。アムネスティは、ビルマにおいて、国際人道法と人権法違反行為に対する不処罰について、情報を引き続き入手している。
報告書はまた、ビルマに関して19本の決議を採択した国連総会の数々の勧告の履行を、ビルマ政府が頑ななまでに拒否している点を強調している。
政府は、過去の人権侵害の責任を問われている政府関係者の免責を維持する姿勢を見せている。2008年憲法は1990年以来初めてとなる11月7日の総選挙を経て施行されるが、その第445条は、任務の履行においてなされたいかなる行動についても、1988年以来続く軍事政権の官僚に対する訴訟はおこなわないとして、現在および過去の政府関係者に完全な免責を与えている。
ビルマ国内で被害者のための法による正義、真実の追及、賠償の可能性がまったくない中、国際社会は今こそ行動をとるべきである。
背景情報
2010年3月に行われた国連人権理事会の報告(A/HRC/13/48)において、トマス・オヘア・キンタナ特別報告者は以下のように述べている。「信頼できる報告によれば、これらの人権侵害のいくつかは、国際刑事裁判所のローマ規程に基づく人道に対する罪あるいは戦争犯罪の範疇に入る可能性がある。・・・説明責任の欠如を考えれば、国連諸機関は、国際犯罪という問題に取り組むために、特定の事実調査の責務を伴う調査委員会の設置の可能性を検討しなければならない」
戦争犯罪、人道に対する罪、あるいはジェノサイド(大量殺りく)の申し立てに関する国連調査委員会は、国連安全保障理事会、国連総会、国連人権理事会または国連事務総長によって設置できる。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年9月3日
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