- 2010年7月16日
- 国・地域:ミャンマー
- トピック:
実に20年ぶりの選挙が近づく中、ビルマの人々が自由に政治過程に参加するために必要な3つの自由-表現の自由・結社の自由・平和的な集会の自由-は未だに否定されている。アウンサンスーチーはビルマ国内の約2200人もの政治囚の1人である。しかし、新しい選挙法の下では、政治囚の誰一人として、今年の選挙には参加することができない。この選挙法を、インド政府は非難していない。
インド政府はビルマの人権状況改善を促進させるために「建設的な」方策をとっていると主張している。しかしながら、ビルマの悲惨な人権状況に対するインド政府の対応は依然として不十分である。
国連人権理事会は、ビルマの惨憺たる人権状況を批判する決議を採択したが、インドはそれに加わらなかった。選挙について、「包括的で、国民の広い層が参加できるものにすべき」という気休め程度の要請を行っただけだった。インド政府は、決議が取り組もうとしたビルマの現実を無視したのである。
ビルマ国軍による民族的少数派への軍事作戦など、広範かつ組織的な国際人権法と人道法の違反を背景とした政治的弾圧も加えられている。
インドはビルマに対する武器輸出のほとんどを2006年度後半以降停止しているが、武器輸出を再開することを考えていると言われている。同国はビルマに対する全世界規模での武器禁輸に反対しており、ビルマに対するさらなる制裁措置についてもビルマ国内の多くの人びとに悪影響を及ぼすとして消極的であるが、これは不誠実な態度である。アムネスティは、インド政府に対し、ビルマへの武器輸出停止を継続するように求める。
ビルマとの関係が深い他の近隣諸国も、インドよりも強い態度をビルマに対して示している。シンガポールのジョージ・ヤオ外相は、2010年4月9日のASEAN首脳会合後の声明の中で、ビルマ問題に関するASEANの取り組みに対する障害は、インドと中国の態度であると批判した。2007年10月にあったASEANでのビルマ当局への一般的な非難の際、シンガポールが議長国であったが、ASEANとして暴力的な弾圧に対して「強い嫌悪感」を表明した。その際、インドは単に「感心」を示したに過ぎなかった。2008年5月サイクロン「ナルギス」の大被害が起こった後、中国とASEANを含め、国際社会の多くの国々がビルマが250万人に上る被災者たちを十分に支援していないと指摘した。その際も、インドは、ビルマの人びとと政府に被害からの回復に向けた「敬意を表した」だけであった。そして、支援策は「非政治的で」なければならないとした。ビルマ政府がこれまで、支援を政治の道具として用い、必要なところへの支援を妨害していた事実を無視したのである。
インドが「国連事務総長のミャンマー友好国グループ」に参加したことは望ましい方向への小さな一歩ではある。しかし、インドはそれ以上の行動をしなければならない。グループに参加はしているものの何の行動も起こさない、ということでは、ビルマにおける前向きな変化を助けるインドの力をせいぜい弱めることにしかならない。最悪の場合は、ビルマで進行している人権侵害に対して暗黙の了解を与えていると解釈されかねない、誤ったメッセージを送ることになる。
政治的な抗議行動が頂点に達していた時期に、アムネスティによって記録されたものをはじめとするおびただしい数の人権侵害が起こったことは、今度の総選挙の時期、人権を守ることに焦点をあてるべき必要性を示している。
ビルマの総選挙が近づいている今、アムネスティはインド政府に対し、公式に、表現の自由、結社の自由、平和的な集会の自由という3つの自由を、選挙期間中、保証するべく要請することを求める。今こそ、真の人権のリーダシップを発揮し、地域の重要国としての影響力を発揮するべきである。黙っている時ではない。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年6月18日
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