- 2010年7月 6日
- 国・地域:キルギス
- トピック:先住民族/少数民族
「国際調査だけが、いずれの事件関係者にも公正で信頼に値するものとみなされうる。国際調査は永続的和平の再建と法秩序の回復に欠かせない」。アムネスティ・インターナショナルの中央アジア専門家メイジー・ヴァイハーディンクはこのように述べた。
「公正な調査は、人権侵害についての証拠を速やかに集め保全するために、また説明責任が確実に果たされるために不可欠だ。6月10日からの1週間に行われた犯罪の容疑者は特定され、裁判にかけられるべきである」
アムネスティは、暴行を受けた地域住民やジャーナリストによって撮影されていた写真やビデオを、治安部隊のメンバーが押収しようとしたという情報を懸念している。この情報は、暴動の一部に警察が加担したという主張を補強するものだ。
以下のようなケースもある。治安部隊を名のる覆面の武装集団が、バザール・コーガンのある人権擁護家の家を訪れ、彼が収集した人権侵害関連の資料とカメラを引き渡すよう夫人に求めたらしい。複数の情報源によれば、夫人が命令を拒否すると、武装集団は家の正面玄関に発砲したという。
「人権活動家とフリーランスのジャーナリストは人権侵害を明らかにする重要な役割を担っている。キルギス当局は彼らを保護する義務がある」と、メイジー・ヴァイハーディンクは強調する。
キルギス共和国で多数の死者を出した暴動は、2010年6月10日、キルギス人とウズベク人の敵対する若者グループが衝突したことから始まったとされている。衝突は急速に拡大し、オシ市のウズベク人居住区における大規模な放火、略奪、殺人を含む暴力的な攻撃に発展した。その後、ジャララバート市やその近隣の市町村にも拡大した。
この事件で数千人ものウズベク人が家を追われた。彼らは仮設の収容所に収容されたり、孤立した地域で人道援助もないまま身を隠したりしている。
「キルギス共和国の臨時政府は、治安部隊の共謀説について速やかに対処すべきであり、すべての人権侵害は訴追されるということを明確に理解させる必要がある」と、メイジー・ヴァイハーディンクは付け加えた。
「キルギス当局によれば、治安部隊は紛争地域の統制に成功した。しかし説明責任が果たされない限り、この国に法の支配を回復することはできない」
「それゆえキルギス当局は、今回の暴動について国際調査を要求し、協力すべきである。また第三者による公正な調査において、人権活動家やフリー・ジャーナリストは重要な役割を担うことになるため、彼らの保護策も講じるべきである」
アムネスティ発表国際ニュース
2010年6月17日
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