- 2010年5月17日
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:危機にある個人
イスラエル最高裁判所は5月11日、イスラエルの核計画についての情報を暴露したために18年服役していたバヌヌに対し、釈放後に軍が課した制限事項に違反して外国人と会ったことを理由に、さらに3カ月服役しなければならないと判決を下した。
「モルデハイ・バヌヌが再投獄されれば、アムネスティは彼が良心の囚人であると宣言して、即時無条件釈放を求めることになる」と、アムネスティ・インターナショナルの中東・北アフリカ部副部長フィリップ・ルーサーは述べた。
出国を禁じられている56歳のバヌヌは5月12日、アムネスティ・インターナショナルに対して、「刑務所に入る、入らないは私にとって問題ではない。イスラエルの中に閉じ込められ、すでに獄中にいるように感じている」と述べた。
南部の町ディモナに近いイスラエルの核施設の元技術者であるバヌヌは、1986年、英国の新聞サンデー・タイムズにイスラエルの核兵器工場の詳細を暴露した。
彼は1986年9月30日にイタリアでイスラエルの情報機関モサドの諜報員に拉致された後、秘密裏にイスラエルに移送され、裁判で18 年の刑を言い渡された。最初の11年間は独房に監禁されていた。
2004 年4月に釈放された際、イスラエル当局は彼を行政拘禁下に置くことを考えたが、イスラエルの検事総長はこれを違法であるとして却下した。
その代わり彼は釈放以来、厳格な軍令に基づき警察の監視下に置かれている。監視は半年ごとに更新される。最近では2010年4月に延長された。この軍令によって、バヌヌはジャーナリストを含む外国人との接触を禁じられている。出国もできず、駐イスラエル外国大使館に行くことも禁じられ、住所を変更したいときは当局に知らせなければならない。
「モルデハイ・バヌヌは自分に科せられている今の制限措置のために、米国へ行って彼の養親と生活することができず、心身ともにたいへんな緊張状態を強いられている。18年の刑を満期で服役したのだから、彼に加えられている制限は仮釈放された者への制限ではない。今の制限措置は彼の移動、表現、結社の自由の権利を恣意的に制限しており、それゆえ国際法に違反している」と、フィリップ・ルーサーは述べた。
バヌヌは許可なく外国人と接触したとして、2007年4月30日に有罪となり6カ月の刑を言い渡されたが、上訴で3カ月に減軽された。
彼は3カ月服役する代わりに西エルサレムでの地域奉仕活動をするという選択肢を与えられた。彼は、多くのイスラエル人が彼を国家の裏切り者と考えていることから、身の安全に懸念があると述べ、この選択肢を拒否し、代わりに彼が現在暮らしているパレスチナの東エルサレムでの奉仕活動を提案した。裁判所はこれを却下し、5月23日までに刑務所に戻るよう彼に命じた。
アムネスティ・インターナショナルと話す中で、バヌヌは絶望感を表し、獄中にいた間やその後イスラエル当局によって課せられた制限を解除するための国際的な努力にもかかわらず、「24年の間、誰も助けることができなかった」と述べた。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年5月12日
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