- 2010年5月 7日
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:地域紛争
4月13日にヨルダン川西岸地区で発効した軍令1650号によって、「侵入者」という言葉の定義が拡大され、イスラエル当局が発行した許可証を持たずに西岸地区にいる人びとが含まれることになった。
「侵入者」とみなされた人びとは他国に追放されるか、ガザ地区に強制移送されるか、刑事訴追に直面する可能性がある。
4月27日にイスラエル副首相のエフード・バラクに宛てた書簡の中でアムネスティは、この幅広い定義が、現在イスラエル当局が行っているヨルダン川西岸地区からガザ地区への追放行為の拡大を招くおそれがあると述べた。
「イスラエル当局が長年に渡りヨルダン川西岸地区から人びとを追放してきたことを考えると、今回の軍令は言語道断である。2003年以来、イスラエルは住所がガザに登録されていることを根拠に、西岸地区に住むパレスチナ人たちをガザ地区に強制的に移転させてきた」と、アムネスティ・インターナショナルの中東・北アフリカ部副部長フィリップ・ルーサーは述べた。
2009年10月28日、ヨルダン川西岸地区のイスラエル軍は数週間後にベツレヘム大学の卒業を控えていた21歳のパレスチナ人学生バーランティ・アッザムを拘束した。彼女は手錠をかけられ目隠しをされて強制的にガザに移送された。
2009年12月9日、イスラエルの高等裁判所は、バーランティが学業修了のためにベツレヘム大学に戻ることを許可しないと決定した。
イスラエル当局の主張の中心は、彼女のIDカードに登録されている住所がガザであるということで、2005年にガザから西岸地区に旅行するために得た許可証では不十分であるというものだった。
「拡大された『侵入者』のカテゴリーが、数年前に西岸地区に入り、家族が一緒になれるようイスラエル当局に申請した人びとにも適用されるかも知れないことに私たちは懸念を抱いている。アムネスティが知る限り、そのような申請が数千件、未処理のままになっている」と、フィリップ・ルーサーは述べた。
2007年6月以来、ガザ地区はイスラエルによる厳重な封鎖下にあり、食料、燃料、教材や医療品、建築資材など必需品の搬入を制限されている。
ヨルダン川西岸地区からガザへのパレスチナ人の強制移送は、パレスチナ人の他国への追放と同様に、戦時における文民の保護に関するジュネーブ第4条約の第49条に違反している。この条文には、「被保護者を被占領地域から占領国の領域に、または占領されていると占領されていないとを問わず、他の国の領域に個人的もしくは集団的に強制移送し、または追放することは、その理由のいかんを問わず、禁止する」とある。
イスラエル当局は、過去にヨルダン川西岸地区から他国へもパレスチナ人を追放してきた。
1992年には、ハマスとイスラム聖戦に関与した容疑で415人がイスラエルによって違法にレバノンへ追放された。その後2002年には、生誕教会包囲に関わった13人のパレスチナ人をヨーロッパの国々に追放するとともに、さらに26人をガザに強制移送させた。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年4月28日
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