- 2010年3月22日
- 国・地域:イスラエル/被占領パレスチナ地域/パレスチナ
- トピック:地域紛争
ヨルダン川西岸地区に暮らすパレスチナ人の多く、および2009年10月に発表されたアムネスティの報告書 「Troubled Waters – Palestinians Denied Fair Access to Water」に出てくるパレスチナ人たちは、水の利用について、イスラエルによる深刻な妨害に直面し続けている。
「私たちの報告書が発表されて6カ月近くになるが、イスラエル政府は依然として、被占領パレスチナ地域における水資源を支配しつづけている。パレスチナ人は、違法なイスラエル人入植地へのほとんど無制限な水供給の内のほんのわずかを許されているにすぎない。私たちが取り上げたケースの多くにおいて、一般の人びとへの目に見える改善点はなかった」と、アムネスティ・インターナショナルの中東部長マルコム・スマートは述べた。
報告書は、中でも南部ヘブロン丘陵地帯にあるツワニという小さい村の窮状を特に強調している。
この村は、その地域の他のパレスチナ人コミュニティと同様に、近くの違法なイスラエル人入植地に水をたっぷり供給している水道施設とはつながれていないままである。
この村のパレスチナ人はその代わりに、雨水を蓄える貯水槽に依存したり、給水車から購入する水をとっておいたりしなくてはならない。
2009年12月には、イスラエル軍は村人たちが建設した貯水槽を取り壊す命令を出した。
その後、2010年3月初めにツワニの住民たちが村の近くを走る水道施設への接続を再び申し込んだが、その地域を支配するイスラエル軍当局は却下した。
ベイトウラ村の住民たちもまた、イスラエル軍が2008年に雨水を取り入れる貯水槽9つを破壊した後、十分な水の供給を得るために苦闘し続けている。
それらの貯水槽は、食料の安全保障を強化するためにEUが資金提供した農業プロジェクトの一環として2006年6月に作られたもので、それぞれが一つの家族に割り当てられていた。
取り壊し後、地域のパレスチナ人農民たちは使えるものをできるだけ回収したが、そのプロジェクトの恩恵を受けるはずだった農民たちのほとんどは、破壊の1年後も依然として失業中、もしくは肉体労働者としての中途半端な仕事で生きのびている。
彼らが3月15日にアムネスティに語ったところによると、再び取り壊されることがないと保証されるならすぐにでもそのプロジェクトを再開する準備はできている、ということだった。
アムネスティの報告書は、西岸地区の村であるダライ・アラサリーンにおいて、イスラエル当局の許可なく建設された9つの貯水槽を取り壊す命令を、イスラエル軍がどのように出したかについても叙述している。
被占領パレスチナ地域では、井戸の掘削や汚水処理、あるいは単に損傷した管の修理などあらゆる水関連のプロジェクトを実行するために、パレスチナ人はイスラエル軍や他の当局から許可を得なければならない。しかもそのような許可の申請システムは複雑で、却下されたり長く待たされることも多い。
ダライ・アラサリーンでの取り壊しはまだ実行されていないが、村人たちが2010年3月にアムネスティに語ったところによると、地域の羊飼いたちは貯水槽を使用することを禁じられ、移動給水車からの高価な水に依存する状態だという。
この地域へ行く道路が2009年にイスラエル軍によって封鎖されて以来、給水車は通ることが許されず、ダライ・アラサリーンの住民たちは、給水車からの水を得るために遠くまで出向くことを余儀なくされている。
イスラエルが軍事占領をして40年以上になるが、イスラエルによるパレスチナ人の水利用の制限は、ヨルダン川西岸地区における水のインフラと設備の発展も妨げてきた。
アムネスティ・インターナショナルの報告書は、ガザのパレスチナ人たちが直面している問題も取り上げている。そこでは90から95パーセントの水が人間の消費に適していない。3月17日に国連人権高等弁務官によって出された報告書によると、ガザでの水と衛生の状況は「危険な」ままである。
ガザへのイスラエルの軍事封鎖は水や衛生のためのインフラを維持するために必要な資材の搬入を妨げている。
「数十万人のパレスチナ人が普通の生活をおくる権利、十分な食料、住居、健康、そして経済的発展の権利を否定され続けている。イスラエルは、パレスチナ人が水資源の公平な分け前を受け取ることを保証する責任を取らなければならない」と、マルコム・スマートは述べた。
アムネスティ発表国際ニュース
2010年3月22日
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