- 2010年3月 9日
- 国・地域:日本
- トピック:死刑廃止
元プロボクサーの袴田さんは、1968年に死刑判決を受けた。アムネスティ・インターナショナルの調査によれば、彼は、世界で最も長く拘束されている死刑囚である。彼は1968年に逮捕され、弁護士の立ち会いがないまま、20日間にわたる取調べを受けた。その後、殺人罪で有罪判決が下されたが、その根拠の一部となった自白は、警察の取調官によって強制されたものであると指摘されている。
アリステア・カーマイケルは、オークニー諸島およびシェトランド諸島選挙区から選出された下院議員である。彼は、死刑廃止のための超党派議員連盟の会長として、袴田さんのケースに取り組んでいる。昨年、同議員は日本を訪問し、袴田さんを釈放するよう日本政府に働きかけた。袴田さんが74歳の誕生日を迎える3月10日、カーマイケル議員は、アムネスティの代表と共にロンドンの日本大使館を訪問し、同政府に対して、袴田さんの再審を開始するか、彼を釈放するよう強く求める予定である。
袴田さんの裁判に関しては、長年に渡ってその公正さに疑いが持たれている。第1審を担当した判事の一人は、自ら袴田さんの無実を確信していると語っている。一方、アムネスティでは、日本の死刑囚監房の状況が非常に過酷であると強く主張している。袴田さんは特に28年間以上も独房に拘禁されており、他の多くの死刑囚と同様、精神障害に苦しんでいる。
アリステア・カーマイケル議員は次のように語った。
「今日の世界では、誰であれ死刑を宣告されるべきではない。袴田巌さんが、ビートルズの時代から、また、人類が初めて月面着陸した頃からずっと死刑囚として拘禁され続けていることを思うと、私は言うべき言葉を失う」
「それは、袴田さん個人にとっての悲劇であるとともに、日本の良心に深く刻まれた傷である」
「私は、(米国の死刑囚である)ケニー・リッチーのケースについて長年関わってきた。だから、死刑囚がいかに悲惨な境遇に置かれているかを十分に理解している。しかし、袴田さんのケースは、そうした一般に言われる死刑囚のケースとはまったく違う。本当に衝撃的なケースである」
「ロンドンの日本大使館に行ったからといって、袴田巌さんを一夜にして死刑囚監房から出すことはできないだろう。しかしそれは、彼に公平な再審を保障すること、もしくは釈放を確保するための一歩なのだ」
アムネスティ英国支部・事務局長のケイト・アレンは次のように述べた。
「大多数の人びとの日本についての認識の中には、日本がいまだに死刑制度を持っているという事実はないだろう。ましてや、一人の死刑囚が40年以上も収監され続けているという事実など想像もできないだろう」
「しかし、現実は本当にひどいものである。日本で死刑を宣告されると、数十年のあいだ非人間的な状況に置かれ、ある日突然、独房から引きずり出されて絞首刑に処せられるのである」
「74歳の誕生日を迎える袴田さんと共に、彼の事件がどうなるのか、私たちは真剣に注視しなければならない。袴田さんを裁いた第1審の不公正さと、彼の精神障害についての懸念が増していることを考慮すれば、日本の政府当局は一刻も早く再審の道を開くか、彼を直ちに釈放しなければならないはずである」
日本の死刑囚の処遇は非常に過酷なものである。昨年、アムネスティが発表した長文の報告書で述べたように、日本の死刑囚の多くは独房に収監される。その独房内では動き回ることは許されず、常に座ったままでいなければならない。死刑囚は、他の収容者と話をすることはもちろん、刑務官と目を合わせることも禁じられている。テレビ視聴もできず、外部の面会者は制限され、面会が認められないことも珍しくない。外界との接触はごくわずかしか認められないのである。アムネスティの調査によれば、これまでに多くの死刑囚が精神障害に追い込まれてきたという事実がある。しかし、それにもかかわらず、いまだに精神障害を持つ死刑囚の処刑を止める保障措置はほとんどない。
今月後半、アムネスティは、死刑に関する国際的な調査結果を発表する予定である。この調査結果において、日本は世界最大の死刑執行国の一つであることが示されるだろう。日本は、2008年に15人の死刑囚を処刑している。
アムネスティ英国支部声明
2010年3月9日
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